使い果たした貯金
現在、打撃の状態がなかなか上がらない佐野
DeNAは交流戦直後の首位・
阪神との3連戦を3連勝し貯金12で首位に立ったが、その後6月は4連敗で終了。7月も8勝13敗1分け、8月に入っても調子は上がらず1勝4敗1分けでとうとう貯金を使い果たした。
DeNAの月別のチーム成績と打率、防御率は次のとおり。
3、4月 16勝 7敗 勝率.696 打率.250 防御率2.63
5月 9勝13敗1分 勝率.409 打率.273 防御率4.49
6月 13勝10敗 勝率.565 打率.256 防御率2.98
7月 8勝13敗1分 勝率.381 打率.208 防御率2.86
8月 1勝 4敗1分 勝率.200 打率.263 防御率3.05
投手陣が3、4月は2点台の防御率と健闘して貯金9とスタートダッシュに成功。5月はその投手陣が崩れたが、6月に入ると投打ともにバランスの取れた戦いで、前述の阪神戦まで快進撃を続けた。
ところが7月に入ると自慢の打線が急降下した。
現在規定打席に達している5人の月別の打率は次のとおり。
宮崎 関根 桑原 牧 佐野
3、4月 .444 .338 .296 .235 .253
5月 .347 .344 .338 .304 .250
6月 .318 .247 .200 .319 .322
7月 .214 .225 .268 .259 .224
8月 .364 .208 .250 .292 .150
6月末まで打率.368と首位打者争いを独走していた
宮崎敏郎は、7月は.214と大きく打率を落とし、7月末には打率.335まで急落。6月まで宮崎が出場した63試合中、約73%にあたる46試合でヒットを放ち、そのときのチームは26勝19敗1分け、勝率.578だった。ところが7月は20試合中、55%の11試合にヒットを放ったものの5勝6敗、勝率.455と成績を落とした。
10年目に大ブレークした
関根大気は5月中盤から主に一、二番を任されることが多くなったが、6月は打率.247と苦戦したものの、23試合で18得点。ところが7月は22試合で打率.225の9得点。得点力に急ブレーキが掛かったことが分かる。
その他、5、6月絶好調だったが
牧秀悟も7月は打率.259、好打者の
佐野恵太も6月の.322から.224と大きく打率を落とした。
7月以降は貧打にあえぐ
首位打者の宮崎も7月は打率.214と苦戦した
月別の1試合平均得点は次のとおり。
3、4月 3.52点
5月 4.39点
6月 4.09点
7月 2.45点
8月 2.33点
5、6月は平均4点台と打線は好調だったが、7月は2.45点と貧打にあえいで、8月に入ってもその傾向は変わらない。
それでも宮崎は8月に入ると22打数8安打、打率.364と調子を取り戻しているが、打点は8月1日の
広島戦の2打点のみ。まだ宮崎を生かし切った形にはなっていないのが現状だ。
昨年の8月は18勝6敗と大きく勝ち越しV争いに加わったDeNA。
これから再上昇していくためには、自慢の打線の復活が不可欠になっていくだろう。
文=永山智浩 写真=BBM