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オリックスがマジック点灯 夏バテとは無縁!? 鉄壁投手陣でV3へ加速

 

さあ、カウントダウンだ。8月26日のロッテとの1、2位直接対決(京セラドーム)を0対0で引き分け、2014年以来、9年ぶりとなるマジックが点灯。さらに翌27日の同戦を5対2で勝利し、2位とのゲーム差を10.5としてマジックナンバーは『22』に。8月の月間防御率は1.64と、夏バテとは無縁の鉄壁投手陣が3連覇を目指すチームの勢いを加速させている。

強さ示す“負けない”戦い


8月26日、先発・山下が緊急降板もベテラン比嘉がカバー[写真右]。アクシデントがありながら、救援陣の奮闘で12回まで完封リレーでマジックを点灯させた


 本塁が遠い。安打は出るものの、8月16日からの11試合の平均得点は約2.7と、攻撃力が下降気味で苦しい展開が続く。それでも同期間はわずか1敗。17日のソフトバンク戦(京セラドーム)から2分けを挟んで8連勝だ。試合の主導権を握ることができなくても、鉄壁の投手が相手に主導権を渡さない。

 前述の8連勝を飾った10試合での平均失点は0.9。17日から球団タイ記録となる7試合連続1失点以下と安定感が光るが、“連続試合”が示すように“チーム力”の高さが際立つ。エース・山本由伸、左腕・宮城大弥山下舜平大ら強力先発陣に加え、救援も山崎颯一郎宇田川優希、ベテランの比嘉幹貴平野佳寿、さらに先発から配置転換された山岡泰輔が加わり、各自が役割を全う。層の厚さを証明する球団タイ記録だ。

 厳しい暑さの中で戦う夏。パフォーマンスの低下も懸念される季節も、連投回避のベンチワークも際立ち、各投手が状態を維持している。得点を奪えなければ勝利をつかめないが、得点を与えなければ負けることはない。マジックを点灯させた8月26日のロッテ戦(京セラドーム)が、現状のチーム状態を象徴した。

 同戦は先発・山下が6回直前の投球練習時に腰の張りを訴え緊急降板。比嘉が急きょマウンドに上がるも、危なげなく無失点に封じると、以降も阿部翔太、宇田川、山崎颯、山岡、山田修義吉田凌とつないで、延長12回まで圧巻の完封リレー。敗戦が消えた12回表終了時点で、試合中に異例のマジック点灯となった。奮闘する投手陣に中嶋聡監督も「はい。良かったです」と短い言葉に信頼がにじむ。

 投手陣に頼ってばかりはいられない。翌27日の同戦は打線が奮起した。同点の3回に中川圭太森友哉頓宮裕真のクリーンアップの3連打で勝ち越して5対2で勝利し、リーグ3連覇へ突き進む。

 始まったV3へのカウントダウン。それでも指揮官はどこ吹く風だ。

「目の前のゲームを一つひとつ取っていくこと。それを考えていきます」

 誰かが誰かをカバーする。中嶋監督が常々、口にしてきた「全員が戦力」を証明するものであり、「全員で勝つ」に通ずる戦いにほかならない。勝負の夏を投手陣の奮闘で白星を重ねる中で打線の状態も復調気配。負けない戦いでチーム状態を整えて首位をひた走る。リーグ3連覇へ死角はない。

写真=BBM
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