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首都大学リポート

桜美林大が明治学院大を下し1勝1敗のタイに 岡野優翔が3安打1打点の活躍で勝利に貢献【首都大学リポート】

 

勝利を決定づける適時打


3安打1打点の活躍を見せた岡野優翔


【9月3日】一部リーグ戦
桜美林大3-1明治学院大
(1勝1敗)

 秋季首都大学リーグ第1週2日目。今春は前半戦に白星を重ねて台風の目となりながら4位に終わった桜美林大が同2位の明治学院大と対戦。この一戦で3安打の活躍を見せたのが岡野優翔(4年・常総学院高)だ。

 岡野は常総学院高出身。同期には菊田拡和(巨人)がおり、現在使用している「60」と刺繍されたリストバンドは、その菊田から譲り受けたものだという。「今も連絡を取り合っているのですが、とても刺激を受けています」。

 桜美林大では昨春からメンバー入りした。以降はチームの主軸を担っており今秋、いよいよ大学でのラストシーズンを迎えた。しかし、2日に行われた1回戦は両チーム無得点のまま延長タイブレークに突入する接戦を落としていた(結果は2対6)。

 巻き返しを図る2回戦。「昨日はなかなか点が取れなかったので『今日は野手が助けるぞ』と声を掛け合っていました」と、1回表一死で打席に立つとセンター前へクリーンヒット。前進してきた中堅手がボールを後ろへ逸らす間に一気に三塁まで進んだ。

「相手投手はコントロールが良いので『スイングをして合わせていこう』と思い、初球から振っていきました。初戦は、内容は良かったんですけれどヒットが出なかったので、シーズン初安打を打ててホッとしました」

 この岡野の安打をきっかけに暴投で1点を先制すると、4回は両チームともに1点を取り合い桜美林大が1点リードのまま試合は終盤へ。そして、9回表二死一、三塁のチャンスで打席に立つと、アウトコースの真っすぐを捉え貴重な1点を追加した。

「ピッチャーが踏ん張り、前の打順を打つ主将の森田(拓斗、4年・真颯館高)がフォアボールでつないでくれたので、気持ちで打ちました」と岡野。この一打がダメ押しとなり、3対1で桜美林大が勝利。前日のリベンジを果たし、1勝1敗のタイに持ち込んだ。

フォーム改善が奏功


 ニコニコとした笑顔で会心の一打を振り返った岡野はチームのムードメーカーである。藤原悠太郎監督は「とにかく野球が好きで練習もたくさんしますし、思い切りが良い。そして、明るい性格なので、特にビハインドの時は良いパーソナリティーを発揮してくれています」と話す。

 桜美林大との2回戦で活躍を見せた岡野だが、今夏のオープン戦では結果がまったく出ず調子が上がらない日々が続いていた。そこで取り組んだのが打撃フォームの改善だ。

「それまでは足を上げてタイミングを取っていたのですが、すり足にして上体のブレをなくし、目線を動かさないようにしました。また、悪い時は体が前に突っ込んで肩が開いてしまうので、体が開かないように心掛けました」。

 新たな打撃フォームを固めるため、ティースタンドにボールを置き、アウトコースとインコースをそれぞれ打ち分ける練習に励んだ。下半身を上半身と連動させて打つように意識したことで、リーグ戦開幕の1週間ほど前から、ようやく復調。オープン戦最終戦の最終打席ではホームランを放ち、シーズンを迎えていたのだった。

 桜美林大は2021年春に優勝しているが、その時はメンバー外で、スタンドから声援を送っていたという岡野。それだけに「やるからには選手として優勝したい。桜美林大はリーグ戦で成長できるチームなので、手応えはあります」とリーグ制覇への思いは強い。

 6月の全日本大学選手権には観客として日体大のゲームを観に行った「高いレベルの野球を観ることができて勉強になりました」と全国大会の雰囲気を肌で味わい、自身もその舞台に立つべく準備を整えている。

「これまで満足できる結果を残すことができていないので、ベストナインと首位打者を狙いたい」とラストシーズンの目標を語る岡野。もちろん、チームとしては優勝を狙いにいくつもりだ。
文=大平明 写真=BBM
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