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愛すべき助っ人たち

“踊るホームラン王”ウインタースは「30本塁打よりもパフォーマンスでファンに覚えられた(笑)」【愛すべき助っ人たち】

 

無冠のキング


“踊るホームラン王”の異名をとったウインタース


 現在は北海道で新庄剛志監督が率いる日本ハム。新庄監督といえば、現役時代(登録名はSHINJO)のパフォーマンスが強烈なインパクトを残す。日本ハムが北海道へ移転したのは2004年。それまでは東京ドームが本拠地だった。北海道のパフォーマンス・キングが新庄なら、東京は誰か。かなりの票を集めそうなのが、助っ人のマット・ウインタースだ。

 異名は“踊るホームラン王”。ただ、本塁打王のタイトルはない。それでも、この男は間違いなく“キング”だった気がする。1年目の1990年から35本塁打を放ち、翌91年は33本塁打も、その翌92年から2年連続35本塁打で、4年連続で大台を突破している。ただ、2015年のインタビューでは「30本塁打よりもパフォーマンスでファンに覚えられた」とウインタースは笑って振り返っている。

「街でファンに声をかけられたときにも、30本塁打ではなく、あのダンス・パフォーマンスのウインタースさんだよね? って言われたよ」とも。「きっかけは近藤サン(近藤貞雄監督)。雨で中断した試合でベンチに座ってると、行ってこい、って。最初は恥ずかしいからイヤだったけど、やってみたらファンも喜んでくれた。野球はゲームだから、楽しむものサ」

ウインタースの逆立ちパフォーマンス


 1992年5月15日の西武戦(西武)での雨天中断で見せたパフォーマンスは“逆立ち人間”とでもいうべきか。ユニフォームを逆さに着て、グラウンドを闊歩した。両足(実際には両手)にスパイク、両手(本当は両足)にバッティンググラブをはめるなど、なかなか徹底していた。ある意味、雨の試合はウインタースの晴れ舞台で、雨天でノーゲームになったときには、本塁に水しぶきを上げてヘッドスライディングしてみせたこともある。

 そして、本塁打王のタイトルはなかったものの、通算成績になると話は変わってくる。プロ野球でウインタースは日本ハムひと筋で5年間プレー。最後の94年は22本塁打にとどまったものの、通算160本塁打を残して、これは日本ハム歴代の助っ人ではトップの数字だ。パフォーマンスのキングは、通算成績では紛れもなくホームランキングだったことになる。

写真=BBM
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