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ファームで打率3割超え…中日ドラ1に「一軍で十分通用する」の高評価が

 

高いポテンシャルを誇るスラッガー


シーズン最終盤に一軍昇格したブライト。インパクトを残すことができるか


 最下位に低迷する中日。苦しい戦いが続くが、チームが強くなるために求められるのが若手の台頭だ。現役ドラフトでDeNAから移籍した細川成也、育成入団から支配下昇格してセットアッパーに定着した松山晋也など新たな力が台頭している中、抜群の身体能力で一軍での飛躍が期待される選手がいる。ドラフト1位で入団したプロ2年目のブライト健太だ。

 9月8日の巨人戦(東京ドーム)。約2カ月半ぶりに一軍復帰し、「二番・左翼」でスタメンに抜擢されると、4回に戸郷翔征の直球を振り抜き、左中間フェンス直撃の三塁打。直後に走塁ミスで憤死したのは反省点だが、2四球を選ぶなど3度出塁してチャンスメークした。

 ファームでは格の違いを見せていた。ウエスタン・リーグで打率.310、7本塁打、22打点、5盗塁。「一番・中堅」でスタメン出場した8月20日の広島戦(由宇)では4安打の固め打ち。打撃内容も濃い。初回に広島のロベルト・コルニエルの直球を中前に運ぶと、3回無死二塁の好機で中前適時打。このイニングで2度目の打席だった二死二塁で左前打を放つと、9回一死一塁で松本竜也のカーブを振り抜き痛烈なライナーで三遊間を破った。

 他球団の首脳陣は「調子の波があるが、ポテンシャルはすごい。万波中正(日本ハム)と重なりますよね。長打力だけでなく、足が速くミート能力も上がってきている。プロに入って打撃の型が固まってきているし、一軍でも十分に通用すると思います」と高く評価する。

開幕一軍スタートを勝ち取った今季


 大卒1年目の昨年は左手首、右肩と故障が相次いで一軍出場なし。体の線も細く、肉体強化から取り組む必要があった。今年は春季キャンプから打撃でアピールし、2月23日の練習試合・阪神戦(北谷)で青柳晃洋から右翼ポール際に先頭打者アーチ。スピードを緩めることなく、ダイヤモンドを一周してベンチで雄叫びを上げ、ベンチを活気づかせた。

 開幕一軍スタートを勝ち取り、4月27日の広島戦(マツダ広島)でプロ初安打をマークしたが、代打出場で結果を残せず、5月1日にファーム降格。4週間後に一軍に再昇格すると、成長の跡を見せた。「二番・左翼」でプロ初スタメン出場を飾った5月30日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で猛打賞をマークすると、翌31日の同戦も7回二死満塁の好機で田浦文丸の145キロ直球を逆方向にはじき返し、右翼フェンス直撃の走者一掃の適時三塁打を放つなどマルチ安打の活躍でチームの勝利に貢献した。交流戦は打率.348、4打点の好成績をマークしていたが、6月26日に登録抹消。ファームで技術を磨いていた。

“輝く”存在を目指して


 ブライトは入団前から、中日と「相思相愛」であることがメディアで報じられていた。ドラフト1位で指名を受けた後に週刊ベースボールのインタビューで中日の印象について、「野球を知っている選手が多いなと感じています。打って走って守るだけではない野球をしているというか、チーム力が本当に高いなと。主力選手がしっかりしていて、その主力選手に対して若手選手も信頼している、慕っているという印象があります」と語っていた。

 ドラフト後に書き綴った色紙には「輝く」という言葉が。その真意を問われ、「自分の名前にかけたのもありますし(bright=明るい)、ハーフの子どもたちであったり、野球好きの子どもたちにとって輝いている選手になりたいという思いからです。自分も黒人の選手たちが活躍して、そこから勇気をもらっている部分があったので、そういう存在になりたいなと」と明かしていた。

 中日はこの年のドラフトで、ブライト、鵜飼航丞福元悠真と大学生スラッガーの3選手を指名している。得点力不足を解消するため、1人でも多くの若手が頭角を現してほしい。外野の3枠は細川、2年連続最多安打を狙う岡林勇希、通算2000安打を達成した大島洋平でレギュラーを奪取するのは容易ではないが、ブライトは一軍の舞台でチャンスをつかめるか。

写真=BBM
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