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首都大学リポート

城西大が7回コールドの13対2で明治学院大を下し 2016年秋以来となる一部白星をマーク【首都大学リポート】

 

冬トレで球速アップ


一部で初勝利を挙げた城西大・中川響


【9月9日】一部リーグ戦
城西大13-2明治学院大
(城西大1勝)

 秋季首都大学リーグ第2週1日目。今春の入れ替え戦を2勝1敗で制し、13季ぶりに一部昇格を果たした城西大。開幕週は日体大の前に2連敗スタートだったが、第2週の明治学院大との1回戦ではエースの中川響(4年・岡山学芸館高)が先発のマウンドに上がり、2016年秋以来の一部勝利を収めた。

 中川は岡山学芸館高の3年夏に甲子園出場。広島商高(広島)との2回戦では2番手として2回からロングリリーフ。8回を投げて勝利投手となっている。城西大では二部暮らしが長く続いていたが「プレーしていくなかで、一部でやりたい気持ちが強くなりました」と話す。

 2年春にリーグ戦デビューを果たすとすぐに先発を任されるようになり、昨秋は二部でリーグ2位の防御率1.19をマークしベストナインを受賞。今春も防御率1.88で4勝を挙げ、二部優勝に貢献。自身初めてとなる最優秀選手を受賞した。

 武蔵大との入れ替え戦では、1回戦で150キロをマーク。「ウエートトレーニングと食トレで体重が7〜8kg増えたのですが、冬のトレーニングの成果が出ました」と、その理由を明かす。

 昇格を懸けた大事な3回戦で再び先発を任されると、7回を4安打1失点の好投でチームに白星をもたらし一部復帰を決めたのだった。

 今夏はウエートトレーニングに励み、もう一度体を鍛え直した。さらに、リーグ戦が開幕する2週間前からオープン戦に登板し、試合勘を取り戻していった。

 一部での初登板は開幕週の日体大との2回戦。先発として5回3分の2を投げ4失点で敗戦投手になり「二部とはバッターのスイングスピードが違いましたし、際どいボールをカットしてきたので簡単には打ち取れませんでした」とレベルの高さを痛感。だが、その一方で3回の4失点以外はゼロに抑え「戦っていけると感じています」と手応えもつかんだ。

変化球で相手を翻ろう


 そして迎えた明治学院大との1回戦。先発のマウンドに上がると、3回表には二死満塁のピンチを迎えるも次打者をインコースの真っすぐで見逃し三振に抑えた。「セールスポイントは粘り強さ」と話すように、持ち味を発揮してなかなか得点を許さない。

 その後も毎回のように走者を背負うが、7回を投げて失点は2。「ランナーがいても、いない時とほぼ同じ気持ちで投げることができるんです」とピンチに強い理由を明かした。

 序盤は「ストレートが指に掛からなかった」と変化球を多投。スライダーと斜め右下へ落ちていくツーシーム決め球に、カーブ、カットボール、フォークをコントロールよく投げ分けて完投。7回コールドの13対2で明治学院大を下し、一部での初白星をマーク。チームとしても16年秋以来となる勝利を挙げた。

 今後の目標については「今シーズンは全部勝つつもりだったのですが、(開幕週で)日体大に負けてしまったので、残りの試合は全部勝ちたい」と中川。今後の進路は「プロ一本」と、プロ志望届を提出する予定だ。

「プロのスカウトの方々に見てもらうためには一部で勝ってなんぼだと思うので、次もしっかりと勝っていきたい」と目標を掲げた。

「真っすぐで押していくピッチングを見てほしい」と中川。夢を叶えるためにも、白星街道を突き進んでいきたいところだ。

文=大平明 写真=BBM
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