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首都大学リポート

1年・松永陽登が勝ち越しの2点適時二塁打 筑波大が日体大に勝利し今季初の勝ち点挙げる【首都大学リポート】

 

苦しんだ春季リーグ戦


日体大との3回戦で勝ち越し打を放った筑波大の1年生・松永陽登


【9月16日】一部リーグ戦
筑波大5−3日体大
(2勝1勝)

 秋季首都大学リーグ第3週1日目。この秋はまだ勝ち点を挙げられていない筑波大。前週は日体大と1勝1敗のタイとなり、今週の3回戦で雌雄を決することとなった。

 チームを待望の勝利へと導いたのはルーキー・松永陽登(1年・日大三島高)のバットだった。松永は昨年の甲子園に春夏連続で出場。四番でエースの大黒柱として活躍し、夏は2安打を記録。だが、どちらも初戦で敗退し勝利を挙げることはできなかった。

「大観衆の前で野球をやらせていただきましたが、自分たちは1回戦負け。悔しい思いをしましたし、大学ではまた全国の舞台に戻ってきて『リベンジしたい』と思うようになりました」

 大学は日大三島・永田裕治監督の勧めもあり筑波大に進学。「練習に参加させてもらったのですが、選手の皆さんの意識が高くて『良い大学だな』という印象でした」と話す。

 そして、進学を機に打者に専念。「もともとバッターのほうが自信があったんです。今は野手で結果を出すことしか考えていません」。

 こうして、期待の新人として1年春からリーグ戦出場の機会を得た松永だったが、なかなかバットから快音を響かせることができない。

「首都大学リーグはピッチャーのレベルが高く、特にボールのキレが高校時代とは違っていました」。結局、7打数無安打で春のリーグ戦を終え、「苦しかった」と振り返る。

 そこで、この夏は打撃練習に励んだ。「まずは真っすぐが打てるように練習をしてきました」と、フリーバッティングではマシンの球速を140km後半から150km程度に設定し、タイミングをはかりながらバットを振ってきた。

 また、同時にトレーニングも行った。「体のキレを出すために、腹筋を鍛えてきました。そのおかげで打球が鋭くなってきたと感じています」

初安打が貴重な勝ち越し打


 手応えをつかんで迎えた秋季リーグ戦。日体大との3回戦では、1点を追う4回裏に二死満塁の場面で代打に起用された。

 暴投で同点となり、なおも続く二死二、三塁から「とにかく結果が出ていなかったので、ここで絶対に打ってやろうと思っていました」と狙っていた真っすぐを右中間へ弾き返し、勝ち越しの2点適時二塁打。うれしいリーグ初安打はチームに流れを呼び込む貴重な一打となった。

 さらに、6回裏にはまたも右中間二塁打をマーク。その後、三塁へ進むと犠飛で生還し、中押しの得点も挙げた。

 この活躍に、春季リーグから起用してきた川村卓監督も「木製のバットに慣れるのに少し時間が掛かってしまいましたが、練習では場外まで飛ばすくらい能力がある選手。これからも思い切ってやってほしい」とエールを送っている。

 チームは5対3で勝利し、今季初の勝ち点を挙げた。今後について、松永は「残りの勝ち点は全部取って優勝したいです」と話し、個人としては「全試合に出場して、良い場面で打っていきたい」と目標を語った。

 リーグ連覇中の日体大が勝ち点を落とし、混戦にますます拍車がかかる首都大学リーグ。筑波大も虎視眈々と頂点を狙っている。
文&写真=大平明
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