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【大学野球】勝ち点をかけた慶大4回戦で逆転負けの法大 指揮官は「負けは私の責任で、残念な1敗」

 

優勝へ「事実上、1敗もできない」


法大は慶大戦を1勝2敗1分で勝ち点を落とした。加藤監督[右から2人目]は試合後、悔しさをにじませた


 1勝1敗1分。

 法大は勝ち点をかけた慶大4回戦(9月26日)で逆転負け(4対5)を喫した。

 1対1の5回裏に勝ち越しを許すも、直後の6回表に松下歩叶(2年・桐蔭学園高)の逆転2点適時打、さらに西村友哉(3年・中京大中京高)のタイムリーでリードを2点に広げた。

 5回裏途中から4年生エース左腕・尾崎完太(滋賀学園高)を救援したのは、加藤重雄監督が救援陣で最も信頼を寄せる右腕・塙雄裕(4年・常総学院高)。前週(第2週)の立大との開幕カード2試合でリリーフし、そして、第3週の慶大戦も、この日で4連投である。

「これまでも、塙、吉鶴(翔瑛、3年・木更津総合高)が抑えてくれている。実力は十分にある。2点差があるので抑え切れるかな、と。ラスト1イニングは(3回戦で10回無失点の)篠木(健太郎、3年・木更津総合高)を考えていました」(加藤監督)

 塙は全6試合で登板。やはり、疲労の色が濃かった。6回裏、慶大・廣瀬隆太(4年・慶應義塾高)の二死一、三塁からの右前適時打で1点差とされた場面で交代。三番手・吉鶴は二、三塁から三番・本間颯太朗(3年・慶應義塾高)の右前適時打で逆転を許した(4対5)。7回裏からは前日に154球を投げた篠木が2回無失点と力を振り絞り、味方の反撃を待ったが、そのまま1点差で力尽きた。

 6回表に一時、逆転打を放った2年生・松下は慶大2回戦でも殊勲打。立大2回戦、慶大1回戦の代打で結果を残し、同2回戦から先発に名を連ね、抜群の勝負強さを見せた。

「松下は代打で良い働きをし、先発でもチャンスに強い。生かし切れなかったのは悔しい」(加藤監督)

 法大は第2週の立大戦を連勝。この慶大戦は勝ち点を落とし、3勝2敗1分、勝ち点1。第5週から東大、早大、明大と3週連続での3カードを残す。2020年春以来のV奪還に向けては、これ以上、勝ち点を落とすわけにはいかない。加藤監督も十分、承知している。

「事実上、1敗もできない。まだ、終わったわけではない。6連勝を目指したい」

 この日の試合後会見は、加藤監督一人のみが対応。「負けは私の責任で、残念な1敗」。指揮官は日々の学生の取り組みを見た上で、信じて、グラウンドに送り出している。さい配の決断は、すべて監督が背負う。選手は練習の成果を出し、思い切ってプレーしてくれればいい、という意味である。仮に加藤監督の言葉を聞いていたら、学生たちは何を思ったか。常に背中でけん引してきた主将・今泉颯太(4年・中京大中京高)は、その場にいなくても、理解しているはず。残り3カード、決死の覚悟で、神宮でプレーする。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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