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プロ野球記録ノート

よく打ち、よく抑え、貯金「12」 V阪神の今季の巨人戦は「歴史的」な快挙【プロ野球記録ノート】

 

巨人戦18勝は過去最高記録


優勝も甲子園で巨人を倒して決めた阪神


 18年ぶりにリーグ優勝を果たした阪神は142試合(残りヤクルト戦1試合)で85勝52敗5分けで貯金33。交流戦こそ7勝10敗1分けと負け越したものの、セ・リーグの5球団には大きく勝ち越した。

 セ・リーグの対戦成績は次のとおり(カッコ内は昨年)。

 対デ 13勝12敗  ( 9勝16敗)
 対広 15勝 9敗1分( 9勝14敗2分)
 対巨 18勝 6敗1分(13勝11敗1分)
 対中 15勝 9敗1分(13勝12敗)
 対ヤ 17勝 6敗1分(11勝13敗1分)

 昨年9勝しか挙げられなかったDeNAに対しては13勝12敗、広島にも15勝9敗1分けと大きく勝ち星を伸ばした。また昨年優勝したヤクルトには借金2だったが、今季は1試合を残して17勝6敗1分けと大きく勝ち越した。そしてライバルである巨人に対しては18勝6敗1分けと貯金12を作った。過去巨人戦で15勝以上挙げたのは、

 1975年 16勝 9敗1分 貯金7
 1979年 17勝 9敗   貯金8
 2003年 17勝10敗   貯金7
 2004年 17勝10敗   貯金7

で、今季が5度目となるが、18勝、貯金12ともに過去最高の記録だった。

 今季の巨人戦は(止=中止)、

 4月11〜13日   東京D ●○○
 4月25〜27日   甲子園 止●○
 5月26〜28日   東京D ○○○
 6月30日〜7月2日 東京D ●○△
 7月25〜27日   甲子園 ○○●
 8月8〜10日    東京D ○○○
 8月25〜27日   東京D ○○●
 9月12〜14日   甲子園 ○○○
 9月20〜21日   甲子園 ○●

 8月8〜10日では敵地・東京ドームで3タテしている。東京ドームの開場した88年以降、3連戦3連勝は次のとおり。

 88年5月3〜5日
 00年4月18〜20日
 04年4月2〜4日
 07年7月10〜12日
 07年9月7〜9日
 13年5月6〜8日
 22年4月29日〜5月1日
 22年8月19〜21日
 23年8月8〜10日

 36年間で9度しかないのだが、この2年間で3度と阪神の強さが際立っている。ちなみに3連戦3連敗は20度だ。

 また7月1日から8月26日まで1分けを挟んで6連勝したのだが、これは13年4月18日から8月2日、21年5月16日から10月14日(2分けを挟む)にマークした5連勝を上回る新記録だった。

巨人戦で24本塁打をマーク


 ここで今季の主なチーム成績を見てみよう。

      神  巨
 得 点  111  73
 打 率 .243 .219
 安 打  203  181
 本塁打  24  22
 盗 塁  11   8
 四死球  97  61
 防御率 2.47 4.14

 得点でも38も多く、打率も2分4厘も上回っている。また本塁打は阪神が2本上回っただけだが、巨人はリーグでダントツの164本(2位のヤクルトが122本で阪神は巨人の半分の82本)を放っていた。しかし阪神の強力投手陣の前に本塁打はなかなか打てず、得点を本塁打に頼りがちな巨人打線の得点力は大幅に落ちた。一方、阪神は24本塁打を放ったが、これは球団別ではトップの成績。2番目が広島戦の16本なのだから、巨人戦では効果的な一発が多かったと言える。

巨人戦で6本塁打を放っている佐藤輝


 両チームの400打席以上の成績は次のとおり。

◎阪神   打数 安 本 点 盗 四 死 打率
 佐藤輝明  79 24  6 17  2  7  3 .304
 木浪聖也  79 24  1 13  0  8  1 .304
 近本光司  103 30  4 13  4  8  3 .291
 大山悠輔  90 26  4 10 0 15  2 .289
 中野拓夢  106 28  1 11  1  4  0 .264
 ノイジー  86 18  2  9  0 10  0 .209

◎巨人   打数 安 本 点 盗 四 死 打率
 大城卓三  74 22  3 11  0  5  1 .297
 秋広優人  67 18  2  6  0  7  0 .269
 岡本和真  91 21  4 14  0  9  2 .231
 丸佳浩   52 11  2  5  0  1  0 .212
 坂本勇人  62 13  3  5  0  5  0 .210
 吉川尚輝  74 12  0  2  0  4  1 .162

 阪神は佐藤輝明の6本塁打を筆頭に四番・大山悠輔が4本、一番の近本光司も4本と一発が多く、佐藤輝と木浪聖也は打率3割をマーク。近本と大山も3割近い打率を残している。一方、本塁打トップの巨人の岡本和真は4本塁打を打っているものの打率.231と阪神投手陣には苦しんだ。

防御率は巨人戦で2点台


 両チームの投手陣の先発、救援の成績は次のとおり。

◎阪神 勝−敗 防御率
 先発 13− 5  2.54
 救援  5− 1   2.30

◎巨人 勝−敗 防御率
 先発  4−12  3.98
 救援  2− 6   4.41

 阪神は先発、救援ともに2点台の防御率で、救援陣は2.30と先発陣よりもいい。巨人は真逆で先発人3.98に対して救援陣は4.41と安定感を欠き、救援陣は6敗も喫している。

 阪神の先発陣は才木浩人の3勝を筆頭に8人が勝ち星を挙げているが、巨人は戸郷翔征が3勝2敗と勝ち星の半分を挙げ孤軍奮闘した状態だった。

 阪神にとって今季の巨人戦は「歴史的」な1年だった。

文=永山智浩 写真=BBM
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