週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

根尾昂、ブライト健太、仲地礼亜…他球団から「中日はブレーク候補の若手が多い」と高評価が

 

球団史上初の2年連続最下位も


シーズン最終盤に一軍昇格し、先発で好投した根尾


 来季に向けての戦いはもう始まっている。10月9日に開幕した「みやざきフェニックス・リーグ」に、中日根尾昂仲地礼亜石川昂弥村松開人ブライト健太ら若手の成長株たちが参加している。

 球団史上初の2年連続最下位という屈辱を味わった今年だが、若い芽は出てきている。侍ジャパンでWBC制覇に貢献した高橋宏斗は7勝11敗、防御率2.53をマーク。投球内容は決して悪くない。打線の援護に恵まれない登板が多く、白星と黒星が逆の数字でも不思議でない。1年間先発ローテーションを守り、プロ3年目で自身初の規定投球回数に到達した。

 昨年に最多安打に輝いた岡林勇希は全143試合出場で、打率.279、3本塁打、31打点、12盗塁をマーク。2年連続最多安打にあと1本届かなかったが、163安打を積み重ねた。また、DeNAから現役ドラフトで移籍した細川成也が打率.253、24本塁打、78打点と覚醒したことも明るい材料だ。和製大砲の石川昂は121試合出場で打率.242、13本塁打、45打点。満足できる数字ではないが、自身初の2ケタ本塁打を記録した。

「大切なのはこの選手を育てているなという雰囲気」


 若手の育成と白星の両立は難しい。ヤクルトの監督で1978年に球団初のリーグ制覇、日本一に導き、82年の西武監督就任1年目から2年連続日本一。4年間で3度リーグ優勝を飾った野球評論家の廣岡達朗氏は週刊ベースボールのコラムで、中日について以下のような提言を送っている。

「とにかく大切なのは勝ち負けではない。この選手を育てているなという雰囲気だ。選手の育成は一朝一夕で成るものではない。大抵の人間はやらずに文句を言う。『やったけど俺には無理』と決めつける人間もいる。何事もすぐに結果など出ない。やってみて、今できなくても、それでもやるという気持ちがなければ続かない。『いま理解できなくても、とにかくやってみろ。必ず私の言うとおりになる』。その信念を立浪監督にも持ってほしい」

チームの将来を担う選手


 大輪の花を咲かせる可能性を秘めた若手たちは多い。その筆頭格として期待されるのが根尾だ。野手から投手に転向し、今年は初めて1年を駆け抜けた。春先からファームで力を磨き、今季初登板となった9月18日の広島戦(バンテリン)で、6回2/3を投げて自責点0の粘投。同学年のエース・戸郷翔征と投げ合った9月30日の巨人戦(東京ドーム)でも6回5安打1失点と力投した。プロ初白星は来季にお預けとなったが、登板した2試合でいずれもチームに勝利をもたらしている。直球、スライダー、フォークの質が上がり、確実に進化していることを証明した。

高い潜在能力を秘めているドラフト1位新人の仲地


 ドラフト1位右腕の仲地は9試合登板で2勝5敗、防御率4.98。プロ初先発となった7月26日のDeNA戦(バンテリン)で6回1安打無失点に抑えてプロ初白星をマークすると、9月8日の巨人戦(東京ドーム)で7回3安打無失点の好投を見せた。痛打を浴びると歯止めが利かず、質の良い球の再現性を高めることが課題だが、しなやかなフォームからスライダー、ツーシームを交えた好調時の投球は一軍で十分に通用する。来季の飛躍が期待される若手の1人だ。

大きく飛躍する期待感が高まっているブライト


 野手で石川昂と共に、殻を破ってほしい存在がブライトだろう。昨年は一軍出場がなく、プロ2年目の今季は33試合出場で打率.241、0本塁打、4打点。強烈なインパクトを残せず、走塁などで状況判断の甘さに課題を残したが、ウエスタン・リーグでは57試合出場で打率.309、7本塁打、25打点、6盗塁をマーク。俊足強肩で打撃センスも非凡だ。

 他球団のスコアラーは「中日はブレーク候補の若手が多い。能力は高いのできっかけをつかめば、村上頌樹(阪神)、万波中正(日本ハム)のように大ブレークする可能性は十分にある」と分析する。

 根尾、仲地、ブライトは「ドラフト1位入団」という共通項がある。チームの将来を背負う選手たちが1人でも多く頭角を現してほしい。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング