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西川遥輝が構想外で楽天退団…他球団が「外野守備より気になる点」とは

 

昨年、日本ハムから楽天に移籍


今季は一軍で思うような結果を残せなかった西川


 シーズン最終戦に敗れ、クライマックスシリーズ進出を逃した楽天が変革に向けて動き出している。石井一久監督が今季限りで退任し、西川遥輝炭谷銀仁朗塩見貴洋石橋良太横尾俊建ら育成枠を含めた12選手と来季の契約を結ばないことが発表された。

 日本ハムのスピードスターとして2度のリーグ優勝に貢献した西川は、昨年に楽天に加入。盗塁数が少ないことが課題だったチーム事情でリードオフマンとして大きな期待がかけられた。

 スタートダッシュは最高だった。3、4月に打率.333、5本塁打、21打点と月間MVPを受賞。4月下旬から球団新記録の11連勝に大きく貢献した。打撃だけでなく、俊足を生かした外野の守備でも球際の強さを見せ、外野手でリーグ最多の10補殺をマーク。西川は6月に週刊ベースボールのインタビューで、「実績だけで言えば本当にすごく実力のある選手がいるので、それぞれが持っている力を発揮すれば絶対に優勝できると思うので、そういった部分は強く思ってやっています」と語っていた。

 さらに「優勝した人にしか、あの感覚というのは味わえないと思います。だからこそ、このチームで優勝したいという思いも強いですね。僕が若いときに優勝できたときも、先輩方におんぶにだっこで優勝できた部分がすごく多かったんです。だから今は僕らが中心となって優勝したい。そうすれば若い選手が『次は自分が主役となって優勝したい』と思えるようになるはずです」と熱い思いを吐露していた。

高い走塁意識をチームに注入


 春先は絶好調だったが、その後は打撃不振に陥った。スランプから抜け出せず、108試合出場で打率.218、7本塁打、37打点、19盗塁と不完全燃焼に。今季も開幕二軍スタートで4月11日に一軍昇格したが、打撃で試行錯誤が続いた。1カ月半後にファームに降格し、7月6日に再昇格したが結果を残せず、8月11日に登録抹消以降はファーム暮らしに。35試合出場で打率.181、1本塁打、4打点、2盗塁。チームに貢献できず去ることになった。

 わずか2年間の在籍だったが、西川の走塁意識の高さはチームに確実に浸透している。今季の102盗塁はリーグトップ。小深田大翔は36盗塁で自身初のタイトルを獲得したほか、辰己涼介山崎剛小郷裕哉村林一輝が2ケタ盗塁をクリア。機動力が大きな武器となっている。西川はインタビューで、「(盗塁への意識は)僕自身もあると思いますが、楽天ではそこに目を向けていた選手が少なかっただけなのかなと。盗塁できる選手は数多くいると思うので、そこに目を向ける選手が増えていけば、さらにチーム盗塁数は上がっていくと思います」と指摘していたが、まさにそのとおりだった。

まだ老け込む年ではない


 今後は他球団での現役続行を目指す。一軍で結果を残せなかったが、イースタン・リーグでは今季63試合出場で打率.369、5本塁打、29打点、8盗塁と格の違いを見せていた。他球団の首脳陣は「肩の弱さを指摘されますが、捕ってからの送球が早く正確です。守備範囲も広いので外野の守備が弱点だとは思わない。左翼なら十分に守れますよ。問題は打撃ですよね。出塁率が高い選手なので、昨年の5月以降に打撃不振から抜け出せなかった原因は何だったのかなと。まだ老け込むような年ではないし、脚力も健在なので獲得を検討する球団はあると思います」と語る。

 31歳とまだまだくすぶる年ではない。他球団を見渡すと、山田哲人(ヤクルト)、甲斐拓也(ソフトバンク)、源田壮亮(西武)、山崎福也(オリックス)、加藤貴之(日本ハム)と同学年だ。20代前半から球界を代表する外野手として活躍し、世代のトップを突っ走ってきた。試練を乗り越え、もう一花咲かせられるか。

写真=BBM
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