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プロ野球記録ノート

CSファイナルステージ、データからは阪神、オリックスの優勝チームが有利【プロ野球記録ノート】

 

甲子園で広島を圧倒する阪神


広島に対して6勝、防御率0.57と好成績を残した大竹


 10月18日から始まるクライマックスシリーズのファイナルステージはセ・リーグが阪神対広島(甲子園)、パ・リーグはオリックスロッテ(京セラドーム)に決まった。

 阪神はペナントレースでは2位の広島に11.5ゲーム差をつけ圧勝。対戦成績でも15勝9敗1分けで貯金6。特に甲子園では9勝2敗1分けの圧倒的な成績だった。

 阪神投手陣で広島キラーだったのが、ソフトバンクから現役ドラフトで移籍した大竹耕太郎

 大竹の成績は次のとおり。

 4月19日 甲子園 〇 6回2/3 1失点
 5月 5日 マツダ 〇 7回   無失点
 5月20日 甲子園 ー 7回   無失点
 7月 5日 マツダ 〇 9回   無失点
 8月16日 マツダ 〇 5回2/3 3失点
 9月 9日 甲子園 〇 6回2/3 1失点
 9月16日 マツダ 〇 5    無失点
 先発7 6勝0敗 防0.57 被打率.219

 7試合に先発して5失点(自責3)で6勝負けなし。被打率.219で本塁打は1本も打たれていない。秋山翔吾に対して18打数3安打、打率.167、菊池涼介には15打数2安打、打率.133、マクブルームに14打数2安打、打率.143と抑えている。一方、西川龍馬に19打数7安打、打率.368、野間峻祥には13打数5安打、打率.385と打たれており、ファーストステージで好調だった2人は要注意だろう。その他の先発陣では村上頌樹が3試合に先発し2勝1敗、防御率2.53、西勇輝も3試合に先発し1勝1敗、防御率4.50の成績。

 一方、広島の投手陣は床田寛樹が4試合に先発し、救援は1試合。先発では8月17日(マツダ広島)で完封勝ちをするなど2勝1敗、防御率2.67の成績を残しているが、ファーストSの第1戦に先発しているので、第3、4戦の先発が予想される。広島の先発陣は床田以外は2勝(野村祐輔遠藤淳志)しか挙げておらず、先発が粘ってリリーフ陣につなぐ形にできるか注目だ。

 阪神打線で広島戦を得意としているのが、ルーキーの森下翔太だ。3本塁打、14打点、打率.328の成績で14打点は佐藤輝明の16打点に次ぐ成績。リードオフマンの近本光司も打率.333と好成績を残しており、広島投手陣は近本を抑え込めば勝機も見えている。

 広島打線は前述の西川が打率.306、野間が.365と阪神戦を得意としている。またシーズン6本塁打の小園海斗は阪神戦で3本塁打(村上、西純矢馬場皐輔)を放ち、チームトップの13打点をマークしている。リーグ唯一の2点台の防御率(2.66)の強力投手陣を打ち崩すには、この3人の左打者がキーマンとなる。

ロッテに大きく勝ち越したオリックス


シーズン中、ロッテ打線をほぼ封じ込んだエース・山本


 10月18日から始まるクライマックスシリーズのファイナルステージはセ・リーグが阪神対広島(甲子園)、パ・リーグはオリックス対ロッテ(京セラドーム)に決まった。

 パ・リーグはオリックスが3年連続日本シリーズ進出をかける。ロッテとのレギュラーシーズンの対戦成績は15勝8敗2分けと、阪神同様優位に立っている。京セラドームでも9勝3敗1分けと大きく勝ち越している。

 オリックスの第1戦の先発は投手4冠の山本由伸だが、山本の今季のロッテ戦は次のとおり。

 4月14日 ZOZO  ● 6回  1失点
 4月29日 京セラ 〇 6回  1失点
 8月 8日 ZOZO  〇 7回  無失点
 9月 9日 ZOZO  〇 9回  無失点
 先発4 3勝1敗 防0.64 被打率.177

 今年の初戦こそ敗戦投手となったが、1失点のみでのもの。4月29日の2回から21イニング無失点中。13安打を打たれているが、2安打されているのは安田尚憲(10打数)、藤原恭大(9打数)、茶谷健太(4打数)の3人。ファーストS第2戦で起死回生の同点弾を放った藤岡裕大は13打数0安打に抑えている。

 左腕エース・宮城大弥も6試合に先発して3勝無敗、防御率1.06とパ・リーグの対戦相手の中ではもっともいい成績を残している。

 一方、ロッテは種市篤暉佐々木朗希がともに5試合に登板し、種市は1勝2敗、防御率2.23、被打率.229、佐々木朗は2勝1敗、防御率1.45、被打率.174の成績。両者ともに負けは付いているものの防御率、被打率ともに好成績。

 佐々木朗はファーストSの第1戦で3イニングをパーフェクトに抑えて降板したが、ファイナルSはどこで投げてくるかもポイントとなる。

 オリックス打線はロッテ投手陣に対して打率.239とリーグの中では一番低い。そんな中、高打率をマークしているのは首位打者を穫った頓宮裕真で.366。本塁打も2本打っているが、終盤左足甲を骨折。すでに紅白戦でプレーしているものの、スタメン出場ができるかは
微妙な状況だ。

 ロッテはチーム打率.227と抑えられている。特に本塁打は4本(角中勝也、安田、ポランコブロッソー)と極端に少ない(他の4球団からは2ケタ本塁打)。それでもファーストSでは少ないチャンスをものにして得点しているだけに侮れない。

 データを見ると、両リーグともに優勝チームに分があるが、短期決戦ではデータを覆すプレーも生まれる。日本シリーズをかけた戦いから目が離せない。

文=永山智浩 写真=BBM
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