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DeNAの最速163キロ左腕に他球団が熱視線 「複数球団の争奪戦」可能性が

 

左のセットアッパーとして


リリーバーとして来日以来7年連続40試合以上の登板を果たしたエスコバー


 25年ぶりのV奪回はならず、3位で進出したクライマックスシリーズもファーストステージで2位の広島に2連敗で下克上の道が断たれたDeNA。注目されるのは助っ人外国人たちの去就だ。

 来日1年目に10勝をマークしたトレバー・バウアーは来季の契約延長を目指すが、複数球団による争奪戦に進展する可能性が高い。救援で61試合登板し、2勝2敗3セーブ33ホールド、防御率1.66をマークしたJ.B.ウェンデルケンについても必要な戦力として球団は慰留する方針だ。一方、来季の去就が不透明なのがネフタリ・ソトと・エドウィン・エスコバーだ。

 来日6年目のソトは109試合出場で打率.234、14本塁打、50打点。一塁の守備能力は安定感があったが、肝心の打棒は爆発力を欠いた。打率2割台前半と状態が上がらず、7月中旬に登録抹消。再調整して一軍昇格した8月は月間成績打率.304、3本塁打、14打点と復調気配だったが、9月は月間打率.178、5本塁打、11打点と好調を維持できず。来日1年目から2年連続本塁打王をマークしたときと比べると、物足りなさが残った。

 一方、エスコバーは40試合登板で2勝1敗11ホールド、防御率4.55。左のセットアッパーとして期待されたが、春先は珍しく不安定だった。集中打で複数失点を奪われる登板が続き、防御率は15点台まで悪化。5月5日に登録抹消され、1カ月以上ファームで過ごした。だが、登板を重ねると球のキレを取り戻し、8月下旬の登板以降は13試合連続自責点ゼロ。山崎康晃三嶋一輝を欠く苦しいブルペン事情の中で奮闘した。

「自分の仕事は3アウトを取ること」


 NPBの公式戦で160キロを計測した唯一の左腕だ。日本ハムからシーズン途中に移籍した来日1年目から7年連続40試合以上登板。今季の登板数は来日最少だが、31回2/3を投げて30奪三振と三振奪取能力は高い。クロスステップから最速163キロの直球にキレ味鋭いスライダーで適度に荒れているのも打者に恐怖心を与える。大きな故障がなく、シーズンを通じてフル稼働できる体の強さも大きな魅力だ。

 エスコバーは週刊ベースボールのインタビューで速い球を投げる秘訣について、「肩や腕の筋肉をつけることが必要で、あとは体幹を鍛えること。ランニングも大切ですね。持久力を鍛える長距離よりも、短距離のスプリント系の走り込みで足腰を鍛えることです。僕も小さいころ、そうやって体を鍛えてきました」と明かしている。

 一方で、「球速そのものに関しては、それほどこだわりはありません。自分の仕事はしっかりとストライクを投げ、3アウトを取ることです。もちろんNPB左腕で一番速いボールを投げたということは、うれしいですし、とても光栄です。自分にとって真っすぐは自信のあるボールですからね。でも、試合になれば状況に応じて変化球も交えながらの投球術も大切になります」とフォア・ザ・チームで配球の重要性を強調していた。

十分に計算できる左腕


 他球団の首脳陣は、「シーズン終盤は状態が良かったですし、力の衰えは感じなかった。実績十分の投手だし十分に計算できる。まだまだ日本でプレーできるでしょう。左の中継ぎが手薄な球団は多い。減俸になってしまうかもしれないが、複数の球団が獲得を検討する可能性がある」と指摘する。

 エスコバーがお立ち台で発言した「男は黙って投げるだけ」は名言として大きな反響を呼び、DeNAファンに愛された。暑い日も寒い日もマウンドに立ち続け、来日7年間で395試合に登板した。来年もエスコバーの勇姿が日本のマウンドで見られるだろうか。

写真=BBM
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