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巨人・ブリンソンは第2のポランコ? 他球団「攻守で能力高い」の高評価が

 

魅力的なプレースタイル


来日1年目の今季、巨人でその能力をいかんなく発揮することができなかったブリンソン


 来季に向けての戦いはもう始まっている。巨人は阿部慎之助新監督が就任し、二岡智宏二軍監督がヘッド兼打撃チーフコーチ、杉内俊哉三軍投手コーチが一軍投手チーフコーチ、亀井善行打撃コーチが外野守備兼走塁コーチ、川相昌弘総合コーチが内野守備コーチ、村田善則ブルペンコーチが一軍総合コーチに配置転換された。また、実松一成スカウトがバッテリーコーチに。西武のファーム投手コーチを務めていた内海哲也氏が5年ぶりに復帰した。

 今後の注目はチーム編成だ。ドラフトのほか、FA、助っ人外国人の補強に乗り出すか。加入する選手がいれば、去就が不透明な選手もいる。その一人がルイス・ブリンソンだ。

 パワーとスピードを兼ね備えたプレースタイルは魅力的だった。開幕2カード目のDeNA3連戦(横浜)で計12打数9安打と爆発した。5月27日の阪神戦(甲子園)では0対3の9回二死一塁で相手左腕・及川雅貴の148キロ直球を逆方向の右中間スタンドに運ぶ2ラン。逆風を切り裂く衝撃の一打に球場がどよめいた。インパクトを残すパフォーマンスは見せたが、その能力をいかんなく発揮したとは言い難い。来日1年目の今季は88試合出場で打率.248、11本塁打、35打点。得点圏打率.288は決して低い数字ではないが、目立ったのは走塁、守備面でのボーンヘッドだ。

目立った走塁、守備面でのボーンヘッド


 4月6日のDeNA戦(横浜)で2回一死一塁から左中間を割る一打を放ったが、一塁走者・岡本和真が三塁を回ったところで止まったのを見逃して三塁へ。岡本和は本塁憤死となり、三塁に進塁したブリンソンはチェンジと勘違いしてベースを離れてタッチアウトに。判断ミスが重なり、異例の併殺となった。8月9日の阪神戦(甲子園)では、0対0の5回一死から中堅に大飛球を放つと本塁打を確信して走り出さず、打球は中堅のフェンス上部を直撃。全力疾走を怠ったため、二塁に進めなかった。この他にも守備で平凡な打球を落球、走塁でアウトカウントを勘違い、牽制死など状況判断を誤ったプレーが目立った。

 スポーツ紙記者は「決して日本野球をなめているわけではなく、一生懸命やっているのですが視野が狭いように感じる。ただ攻守でほれぼれするようなプレーを見せるので、原辰徳前監督は最後まで期待していました。明るい性格でチームにすっかり溶け込み、日本でプレーすることを楽しんでいたことは間違いない。成績は合格点をつけられる内容ではないですが、このまま終わるのはもったいない気も……」と複雑な表情を浮かべる。

ロッテ2位躍進の立役者


ロッテ移籍1年目の今季、本塁打王に輝いたポランコ


 巨人を退団し、他球団で能力を発揮したのがロッテのグレゴリー・ポランコだ。巨人に加入した昨年は打率.240、24本塁打、58打点をマーク。規格外のパワーは大きな魅力だったが外野の守備に不安があり、得点圏打率.188と物足りなさが残った。そして、今年からロッテに移籍。打率.242、26本塁打、75打点で自身初の本塁打王を獲得した。打率、本塁打の数字を見ると巨人時代と劇的に変化したわけではない。ただ、大砲不在のロッテではポランコが重宝される。指名打者で打撃に専念できるのも大きなプラスアルファだ。前年の5位から2位に躍進する立役者となった。

 他球団の編成担当は「球団が変われば、その選手の価値が変わってくる。助っ人外国人が来日1年目から日本で活躍するのが難しい時代になり、他球団でプレーした選手は計算が立ちやすい。ブリンソンはボーンヘッドが多いのが欠点ですが、修正できない課題ではない。攻守で能力が高いことは証明している。『第2のポランコ』になる可能性は十分にあると思います」と評価する。

 来季も巨人でプレーする姿が見られるか。去就が注目される。

写真=BBM
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