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【大学野球】逆転負けで85年ぶりのリーグ4連覇を逃した明大 「包囲網」に屈するも取り組みに悔いはなし

 

「4連覇? 頭にはなかったです」


明大は法大2回戦を落とし、85年ぶりのリーグ4連覇を逃した。写真中央は、敗戦に悔しがる3年生・宗山[写真=福地和男]


[東京六大学秋季リーグ戦第7週]
10月22日(神宮)
法大9-5明大(1勝1敗)

 明大は85年ぶりのリーグ4連覇へ、1敗も許されない状況だった。最終カードの法大戦で2連勝し、9勝3敗、勝ち点4することがV戦線に残る唯一の条件。その上で早慶戦の結果待ち(慶大が勝ち点で慶大優勝、早大が連勝で早大優勝、早大が2勝1敗で明大との優勝決定戦)という星勘定だった。

 明大は法大1回戦で先勝したが、2回戦を5対9で落とした。序盤2イニングで5対0とリードしたものの、逆転負け。試合後、明大・田中武宏監督は無念を口にした。

「4連覇? 頭にはなかったです。春に続いて、秋も勝たせてあげたかった」

 学生野球は1年勝負。2022年は主将・村松開人(現中日)の下で春秋連覇。あくまでも23年は主将・上田希由翔(4年・愛産大三河高)のチームとして臨み、春優勝、結果として3連覇を遂げた。そして、この今シーズンは「春秋連覇」へのチャレンジであったのだ。

 田中監督は少し間を置いて、こう続けた。

「周りの見る目が違う。ターゲットにされているのは、明らかに分かる。続けて勝つのは難しいんだな、と、いま感じています」

 今秋は対戦5校が「打倒・明治」で、真っ向から戦いを挑んできた。「包囲網」に屈する形となったが、指揮官に悔いはない。

「(法大2回戦を控えて)こちらが言わなくても、個々が課題を持って練習していました。事前の準備として、足りなかったのは一切、なかったです」

 田中監督は活動拠点である島岡寮で、学生とともに寝食をともにしている。技術のことは戸塚俊美助監督、福王昭仁コーチ、鈴木文雄コーチ、西嶋一記コーチに全幅の信頼を寄せており、指揮官のメインの仕事は、寮生活の指導。この秋、勝負には負けたが、学生野球としての取り組みは間違っていなかったと胸を張って言える。「チーム上田」が築き上げた伝統は、宗山塁(3年・広陵高)を中心とした24年の新チームへと継承されるのである。

文=岡本朋祐
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