週刊ベースボールONLINE

大学野球リポート

【大学野球】早慶1回戦では9回に同点打 逆転優勝へ早大のカギを握る尾瀬雄大のバット

 

今春は満票で外野手ベストナイン


早大の一番・尾瀬は1点を追う9回裏に同点打[写真]。先制打を含む2安打2打点の活躍だった[写真=矢野寿明]


[東京六大学秋季リーグ戦第8週]
10月28日(神宮)
早大3x-2慶大(早大1勝)

 勝ち点(2勝先勝)を取ったほうが優勝の早慶戦。神宮球場には今季最多2万7000人の大観衆が集まった。

 特別な思いでプレーしていたのは早大の一番・中堅の尾瀬雄大(2年・帝京高)だ。

 11時30分からの打撃練習を前に、11時過ぎに最も早くグラウンドに飛び出した。緊張感ある引き締まった表情の中にも、やってやるぞ! という闘争心を感じた。

「優勝がかかった早慶戦。小さいときから、夢に見ていた舞台。この舞台で結果を出してやろうと思っていました」

 小学校時代に神宮で早慶戦を観戦し『WASEDA』のユニフォームにあこがれを持った。満員の早慶戦でプレーしたいと熱望した。中学時代に在籍した武蔵府中シニアでは全国大会を経験。学業成績も優秀で、高校受験では早実の推薦入試に挑戦も、不合格に終わる。

「中学3年生の1月。まさか、落ちるとは思っていなかったのですが……」

 大学進学を見据えて、帝京高に進学した。「早稲田に行くため、勉強も頑張りました」。学校評定はオール5。早大スポーツ自己推薦入試を突破し、ついにワセダの門をたたいた。

 1年春の立大2回戦を代打でリーグ戦デビューを果たすと、初打席初安打。同春は2試合、1年秋は4試合に出場し、今春からはレギュラーで全13試合に先発し、打率.347(5位)で、満票で外野手のベストナインを受賞した。

9回裏、尾瀬[右]の同点打のあと、無死満塁から代打・小澤[左]がサヨナラ打。殊勲者となった2年生2人が試合後の取材で、写真撮影に応じた[写真=矢野寿明]


 相手校のマークが厳しくなる今秋こそ、真価が問われた。早慶戦までに9試合中8試合で安打を記録していたが打率.243、1打点とやや苦しんだ。慶大が明大から勝ち点を挙げ、明大が法大とのカードで1敗したことで、めぐってきた早大と慶大による天皇杯をかけた直接対決。尾瀬はこの一戦にかけていた。今春もレギュラーとして早慶戦に出場も、Vの可能性を残したライバル対決は格別である。

 尾瀬は5回裏の先制打に、1点を追う9回裏無死満塁から右前へ同点タイムリー。早大は続く代打・小澤周平(2年・健大高崎高)のサヨナラ打で先勝した。

 尾瀬が目指す理想の左打者はソフトバンク近藤健介である。バットコントロールの良さ、広角に打つヒットメーカーが逆転優勝へ、早大打線のカギを握る。

文=岡本朋祐
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング