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巨人がトレードで近藤大亮を獲得に、「FAに匹敵する戦力補強」の評価が

 

リリーフの底上げが急務


力強い直球が売りの近藤。巨人でリリーバーとして再び力を発揮するか


 巨人の補強ポイントに最も合致した右腕かもしれない。オリックス近藤大亮を金銭トレードで獲得したことが11月8日に発表され、背番号「30」に決まった。

 スポーツ紙記者は「オリックスは救援陣が充実しているので、今年は一軍での登板機会が減少しましたが、力の衰えは見られない。ホップするような球質で150キロを超える直球を投げられる投手はなかなかいない。変化球の質が課題ですが、タフネスだしセットアッパーで十分に計算できる。FAに匹敵する戦力補強だと思います」と太鼓判を押す。

 3年連続リーグ優勝を逃した巨人のウィークポイントは救援陣だった。近年はセットアッパーが固まらず、今季も救援防御率3.81はリーグワースト。リーグトップの2.37を記録した阪神と大きな差があった。この課題を解消するためには現有戦力の底上げでなく、外部補強が必要となる。白羽の矢を立てたのが近藤だった。

ベース上の強さがすごい直球


 大阪で生まれ育ち、浪速高、大商大、パナソニックと関西一筋の野球人生で、自身の運命を切り拓いた生命線が最速154キロの快速球だ。身長177センチと決して恵まれた体格ではないが、ダイナミックなフォームから投げ込む直球はスピン量が多く、好調時は打者が直球と分かっていても打てない。ヤクルトと対戦した昨年の日本シリーズ第2戦では同点の延長12回にマウンドに上がり、12球オール直球勝負で無失点に抑えた。

 今年3月に週刊ベースボールの企画「<選手、コーチ、スタッフが語る>わがチームの速球王」で、チームメートの頓宮裕真が近藤の名前を挙げて以下のように証言している。

「先発では由伸(山本由伸)、タジ(田嶋大樹)、中継ぎではワゲ(ワゲスパック)、颯一郎(山崎颯一郎)と1人を挙げるのは難しい……。長身のピッチャーは角度も武器になるし、先発は緩急で速く見せることもできますから。そう考えてみると、純粋にボールのキレ、回転数で速さと強さを感じるのが(近藤)大亮さんなんですよね。ボールを受けても手元で伸びるし、ずっしりとミットにくる。(ホーム)ベース上の強さがすごい。体感速度なら大亮さんだと思います」

変わらない高い三振奪取率


 17年から3年連続50試合以上登板し、計56ホールドをマーク。17年に侍ジャパンに選出され、第1回アジア プロ野球チャンピオンシップで2試合登板している。その後は順風満帆だったわけではない。20年に右肘を痛めてトミー・ジョン手術を受け、同年オフに育成契約に。21年もリハビリに専念して2年連続一軍登板なしに終わったが、鮮やかに復活した。

 昨年4月に支配下登録に復帰し、4月28日の日本ハム戦(東京ドーム)で964日ぶりの一軍登板を果たし、30日の西武戦(京セラドーム)で自己最速の154キロを計測し、白星をマークしてお立ち台に。「(投球内容は)あまり覚えていないんですけど、皆さんに支えられた、そのひと言です。ありがとうございます。苦しい2年間でしたが、この球場で皆さんの前で投げることを目標に1日1日やってきました。本当に支えていただいた皆さんに感謝したいと思います」と安どの表情を浮かべていた。32試合登板で1勝4敗2セーブ15ホールド、防御率2.10の好成績をマーク。日本シリーズでも3試合に登板し、26年ぶりの日本一に貢献した。

 今季は12試合登板で0勝1敗、防御率5.11に終わったが、三振奪取率11.68と相変わらず高い。ウエスタン・リーグでは33登板で1勝0敗6セーブ、防御率1.08と抜群の安定感で格の違いを見せていた。魂のこもった直球を武器に、巨人で救世主になれるか。

写真=BBM
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