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【高校野球】神宮大会2回戦で大阪桐蔭を撃破も準決勝敗退の関東一 指揮官は「それは、それでリセット。もう1回、ぶつかっていく」

 

「この悔しさを次につなげたい」


関東一高は作新学院高に逆転負け。敗戦から多くの課題を得た[写真=田中慎一郎]


[明治神宮大会高校の部・準決勝]
11月19日(神宮)
作新学院(関東/栃木)8-6関東一(東京)

 2対2で迎えた3回裏。関東一高らしい攻撃を見せた。先頭の一番・飛田優悟(2年)が中前打で出塁し、二番・成井聡(2年)、三番・坂本慎太郎(1年)は二者連続での三塁前へのバント安打で無死満塁の好機を作る。主将の四番・高橋徹平(2年)の左翼線二塁打で2点を勝ち越し、犠飛で1点を加えた。

「ウチの選手の、精いっぱいの選択の中でのセーフティーバント。もう少し、詰めていきたい。ウチらしい野球は、前半はできた」(関東一・米澤貴光監督)

 4回裏にも加点し、6対2で前半を終えたが、6回以降に相手打線の猛攻に遭い、逆転負けを喫した。3回から救援した二番手の大後武尊(2年)が6回表に3失点、7回表に追いつかれたところで、エース右腕・坂井遼(2年)に交代。このイニングは後続を抑えたが、8回表にソロ本塁打で勝ち越しを許した。

 試合後、米澤監督は言った。

「ウチは全力を出し切っての負けなので、この悔しさを次につなげたい」

 今秋からの新チームは今夏からの経験者が多く、米澤監督は「期待していた代」と語る。2019年夏を最後に甲子園から遠ざかり、強豪校を預かる指揮官としては危機感があった。

「甲子園が途切れて、全員が未経験。復活させるプレッシャーと闘ってきた。(来春のセンバツに)つながっていける。しっかりと準備をしていきたい」

 高校野球は来季から新基準の金属バットに変わる。従来のバットよりも、飛距離が出なくなると言われている。関東一高は3回の攻撃を象徴とするように、バントや足を生かし、機動力を前面とした攻撃を基本スタイルとしてきた。米澤監督は言う。

「実際に使ってみてからなりますが、変わらないと思っています。野球なので。バントで送るところは、送る。足を絡めたり、エンドランが増えるか? やってみてからですが、冬場にしっかり練習する中で、バットが変わるという位置づけです。ウチは今までやってきたことを突き詰めるだけ。変わらないです」

 今大会は熊本国府高との1回戦を突破すると、2回戦では大会3連覇を狙った大阪桐蔭高を撃破した。「それは、それでリセット。もう1回、ぶつかっていく」。米澤監督はもう一度、足元を見つめ、チーム育成に尽力していく。

文=岡本朋祐
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