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【大学野球】慶大との決勝で先発が有力視される青学大・下村海翔 自らの存在感を示す最高の舞台

 

常廣に負けていられない


青学大・下村は日本文理大との2回戦で勝利投手。中1日の準決勝を挟み、慶大との決勝では先発が有力視される[写真=矢野寿明]


[明治神宮大会大学の部・準決勝]
11月19日(神宮)
青学大4-3富士大

 青学大は今年6月の全日本大学選手権で18年ぶり5度目の優勝を遂げた。国際武道大との2回戦は右腕・下村海翔(4年・九州国際大付高)が6回1失点で勝利投手。中部学院大との準々決勝は右腕・常廣羽也斗(4年・大分舞鶴高)が6回無失点で勝利投手。富士大との準決勝では下村が6回2失点で勝利投手となった。そして、明大との決勝では常廣が5安打完封で、胴上げ投手に輝いた。

 今秋の東都大学リーグ戦は、3カードで下村が1回戦、常廣は2カードで1回戦の先発を務めた。両エースの頑張りで春秋連覇。日本文理大との明治神宮大会初戦(2回戦)では、下村が7回途中2失点で勝利投手。翌日の富士大との準決勝では、常廣が142球を一人で投げ切り、3失点完投した。迎えるは3連戦となる、慶大との決勝である。

 10月26日のドラフトで、常廣は第1回入札で2球団競合の末、広島が1位で交渉権を獲得。下村は第1回入札における単独で、阪神から1位指名を受けた。明治神宮大会決勝は学生野球の集大成。青学大は史上6度目の年間タイトル4冠(春、秋のリーグ戦、全日本大学選手権、明治神宮大会)がかかっている。

 青学大・安藤寧則監督は「(ベンチ入りしている)7人が良い準備をしている。決勝は総動員」と先発を明言しなかったが、これまでの順番を見ても、下村が先発するのは有力だ。

「前回(大学選手権)は4試合。今回は3試合なので、回ってくるかな? 自分かな? とは思いますが、だからと言って何もありません」。高鳴る思いを、必死になって抑えた。

 全日本大学選手権決勝での常廣の快投は、チームメートとしてはうれしかったが、一人の投手としては「刺激になる。負けていられない。すごい成績でしたので、悔しい思いがあった」と胸の内を明かす。「チームが一つになって、最後の1勝をつかみにいく。意地でも勝ちたい」。自身の思いはあえて封印するが、常廣との両輪で支えてきたプライドがある。下村は究極の負けず嫌い。慶大との決勝は、自らの存在感を示す最高の舞台である。

文=岡本朋祐
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