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来年からトヨタ自動車で切磋琢磨する遊撃手 法大・今泉颯太、早大・熊田任洋が誓う飛躍

 

高校のOB戦で対決


中京大中京高OBの法大・今泉[左]と東邦高OBの早大・熊田[右]は学校創立100周年記念試合に出場した[写真=BBM]


[創立100周年記念 オール中京・オール東邦 野球大会]
11月23日(バンテリンドーム)
中京OB6−3東邦OB

 中京大中京高と東邦高の創立100周年記念行事として11月23日「オール中京・オール東邦 野球大会」がバンテリンドームにて行われた。午前10時から大学・社会人でプレーする卒業生で編成したOBが対戦し、中京OBが6対3で東邦OBを下した。

 両校とも一番打者は遊撃手だった。中京OBは法大の主将・今泉颯太、東邦OBは早大の副将・熊田任洋が入った。2人の4年生は地元・トヨタ自動車への入社が内定。今秋までは、東京六大学リーグ戦で火花を散らしてきたが、今回はOBチームとして対峙。今泉は試合前「もう、バチバチですよ(笑)」と冗談交じりに言いながらも、その目は本気だった。

 熊田は主将・石川昂弥(中日)とともに3年春のセンバツで優勝。早大では1年春から遊撃のレギュラーで、今年は春秋連続でベストナインを受賞。7月には大学日本代表としてプレーし、日米大学選手権優勝に貢献した。この記念試合はフル出場し、1安打を放った。

「昨日(の両校による懇親会で)スタメンを聞いて『ちょっと、なんか、狙っているね!!』みたいな話をしていたんです。久しぶりに高校生のような気持ちで野球をすることができて、楽しかったです」

 今泉は高校3年間で、甲子園の土を踏むことができなかった。法大では3年春からレギュラーで、神宮で通算5本塁打。球際に強い守備力と、勝負強い打撃を見せてきた。「約1カ月、実戦から離れているので、ボールが見えないかもしれません」と言いながらも、東邦との記念試合は3打数2安打と結果を残した。

「高校時代は勝てなかったので、素直にうれしいです。東邦さんは、伝統がある学校。いろいろな世代の方とプレーする機会に恵まれたことを、うれしく思います」

 同リーグで戦ってきた同じポジションの2人が、社会人では同じユニフォームを着る。トヨタ自動車は昨年11月の社会人日本選手権、今年7月の都市対抗で優勝を遂げ、社会人野球をけん引するトップチームだ。

「2人で切磋琢磨して、レギュラーを取れるように頑張りたいと思います」(熊田)

「トヨタでは一、二番ぐらいを打てるように打力、守備力もつけて、来年から活躍できるように頑張っていきたいと思います」(今泉)

 中京OBの「三番・二塁」で先発出場したトヨタ自動車・佐藤勇基(法大)は昨年、入社2年目で社会人ベストナイン(二塁手)を初受賞した。トヨタ自動車の遊撃手には和田佳大(中京大)がおり、熊田と今泉は社会人屈指の二遊間に割って入っていくことになる。佐藤は「すごい新人が入ってきますね。自分も負けられないです」と、有望ルーキーコンビの加入に危機感を募らせる。

 2人には夢がある。熊田は今年10月のドラフトでプロ志望届を提出したものの「3位以上」という順位縛りがあり、名前は呼ばれなかった。今泉も当初からプロ志望を表明していたが、社会人で力を磨いてから、と同書類の提出を回避した。社会人野球の大卒選手のドラフト解禁は2年。バンテリンドームで原点に戻り、大学卒業後の活躍を固く誓った。

文=岡本朋祐
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