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『陽の目を見ない場所に光を』――今年で2年目を迎えたジャパンウィンターリーグが沖縄で開幕

 

各カテゴリーのスカウト関係者が視察


11月23日にオープニングセレモニーが行われた[撮影=長嶺真輝]


 ジャパンウィンターリーグ2023(JWL)が11月23日、宜野湾市立野球場で開幕し、オープニングセレモニーが行われた。前日の22日には那覇空港で、歓迎式が開かれている。

 基本理念は「沖縄から世界へ」。そして「陽の目を浴びていない場所に光を」目的に昨年、沖縄で初めて開催された。2回目となる今回は95人が参加。このうちオーストリア、フランス、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、ハンガリー、アルゼンチン、オランダからの30人の海外選手が含まれている。

「JWL トライアウト」は11月25日から12月24日まで、コザしんきんスタジアムでリーグ戦を開催。NPB、独立リーグ、海外リーグなど、各カテゴリーのスカウト関係者が視察する中で、実戦力をアピールする場だ。

 従来の「トライアウト」と言えば、1日での開催がほとんどだが、同リーグは約1カ月、実戦の場を設ける。試合、測定における全選手の結果をトラッキングシステムにより数値化され、評価の「見える化」が実現している。

国内外から95人が参加。「トライアウト・リーグ」では実戦の場でスカウトにアピールし、「JWL アドバンス」は、スキルアップを目的としている[撮影=長嶺真輝]


 また、今年は新たにリーグ「JWL アドバンス」が行われる。11月23日から12月3日(宜野湾市立野球場)、12月4日から12月17日(ANA BALL PARK 浦添)の二部制で開催。オフシーズンを利用し、温暖な地でのスキルアップを目的とし、1チーム20人に分かれ、総当たりのリーグ戦が行われる。

 同リーグにはトヨタ自動車、Honda、Honda鈴鹿、パナソニック、沖縄電力と日本野球連盟所属の社会人企業チームのほか、同連盟所属のクラブチームの若手選手が腕を磨く。また、各独立リーグからも8チームが参加。JWLの理念に賛同した四国アイランドリーグplusとルートインBCリーグは業務提携を結んでおり、提供される実戦環境、真剣勝負の中で、選手個々がレベルアップを目指す。

 株式会社ジャパンリーグの代表取締役・鷲崎一誠氏は開幕にあたり、コメントしている。

「ジャパンウィンターリーグは今年で2年目を迎えます。『陽の目を見ない場所に光を』のコンセプトの下、今年は100人弱の選手が参加となりました。スカウト球団数も昨年よりもはるかに多い数を見込んでいます。多くの選手がステップアップし、成長できるような舞台を整えていきます。世界の野球界の登龍門を沖縄に作ります」

「JWL トライアウト」の開幕に先立ち、フィジカルテストが行われた[撮影=長嶺真輝]


 鷲崎氏は佐賀西高から慶大に進学。大学4年間で、東京六大学リーグ戦でのベンチ入りがかなわなかった。このままユニフォームを脱ぐのはあきらめがつかない、と卒業翌年の16年1月にカリフォルニアウィンターリーグに参加。出場機会を得ることで活躍し、独立リーグから声がかかるほどの成果を上げた。「現実的に『ここまでか』と思いまして、今度はビジネスの世界で頑張ろう」とユニフォームを脱いだ。鷲崎氏は「踏ん切りをつける場所」として、達成感を得たという。サラリーマン生活を経て、今度は運営側として「夢をつくる場所」を提供していきたいと、22年に(株)ジャパンリーグを創業した。野球界の底上げの重要性を、身を持って知っており、今年も1カ月、愛する野球のために汗を流していく。
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