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黄金時代築くオリックスの対抗馬は西武?「2ケタ勝利投手が6人誕生」期待が

 

現有戦力で戦える手応え


今季の西武は高橋[写真]、今井、平良が2ケタ勝利をマークした


 来季に向けての戦いは始まっている。

 今オフの補強で活発に動いているのが、2年連続最下位からの巻き返しを図る日本ハムだ。複数球団との争奪戦を制し、オリックスからFA宣言した山崎福也の獲得に成功。さらに、吉田輝星との交換トレードでオリックスから黒木優太が加入した。新外国人では身長196センチの長身右腕で前ツインズのパトリック・マーフィーと、最速162キロの剛速球が武器で前タイガースのアニュラス・ザバラ、野手では俊足巧打に定評がある前ツインズのアンドリュー・スティーブンソンの獲得を発表。右腕エース・上沢直之はポスティングシステムでメジャー移籍を目指すが、FAで去就が注目された加藤貴之が残留を決断している。戦力面で大幅な底上げが期待される。

 ソフトバンク巨人からアダム・ウォーカーをトレードで補強。ロッテDeNAネフタリ・ソトの獲得に動いていることが報じられた。オリックスもFAで広島の巧打者・西川龍馬、最速160キロの直球とチェンジアップが武器で前ナショナルズのアンドレス・マチャドを獲得した。その中で、現時点では静かなオフとなっているのが西武だ。新外国人以外で目立った補強は、古巣に6年ぶりに復帰した炭谷銀仁朗のみ。ただ、現有戦力で戦える手応えをつかんでいる。

力のある投手が多い先発陣


 松井稼頭央監督が就任1年目の今季は5位に低迷したが、投手力はリーグ屈指だ。チーム防御率2.93はオリックスの2.73に次ぐリーグ2位。特に先発陣の安定感が際立った。10完投、クオリティースタート(QS、先発が6投球回以上で自責点3以内)86はいずれもリーグトップ。QS率60.1パーセントはパ・リーグで唯一の6割超えだった。平良海馬が11勝7敗、防御率2.40、高橋光成が10勝8敗、防御率2.21、今井達也が10勝5敗、防御率2.30と3投手が2ケタ勝利をマーク。2年目左腕の隅田知一郎は9勝10敗、防御率3.44と2ケタ勝利にあと一歩届かなかったが、昨年の1勝から大幅に白星を増やした。

「西武の先発陣は力のある投手がゴロゴロいる。松本航與座海人も先発で2ケタ勝利を挙げた実績がありますし、来年はドラフト1位で獲得した大学No.1左腕の武内夏暉(国学院大)が加わる。熾烈な争いとなる先発枠をつかんだ投手全員が2ケタ勝利を挙げて貯金をつくる力を持っています。課題の得点力が上がれば、オリックスの対抗馬になれる」(スポーツ紙記者)

 かつては圧倒的な破壊力で山賊打線と他球団から恐れられたが、主力が他球団に流出した影響もあり打線が弱体化している。今季の435得点はリーグワースト。40歳の中村剛也がチームトップの17本塁打と奮闘したが、いつまでもベテランに頼っているようではチーム力が上がらない。渡部健人蛭間拓哉山村崇嘉長谷川信哉ら若手成長株がレギュラーとして一本立ちできるか。

チームとしての成長を感じた監督


 松井監督は今季本拠地最終戦となった9月27日の楽天戦(ベルーナ)の試合後に行われたセレモニーで、「ホームでの試合、そしてビジターでの試合、本当に多くのファンの皆様の声援に選手の背中を後押ししていただき、本当に感謝しています。ファンの皆様の期待に応えることができず、また結果を出すことができず、すべて監督の責任です」とあいさつ。「その中でも投手、野手をはじめベテラン、中堅、そして若手と大きく経験したと思います。その中で若手の、少しずつですが成長、そしてチームとしての成長を感じられたと思います」と目を見開いた。

 昨年はシーズン終盤に失速したが、リーグ優勝を飾ったオリックスに3.5ゲーム差と優勝争いを繰り広げた。力のあるチームだけに、来季は打線が奮起して強力投手陣で白星を積み重ねたい。

写真=BBM
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