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羽田慎之介、齋藤響介、安田悠馬…来季大ブレーク期待の選手は【パ・リーグ編】

 

 今季のパ・リーグは若手の躍動が目立った。万波中正(日本ハム)は自己最多の25本塁打をマーク。タイトルには1本差で届かなかったが、長距離砲としての素質を開花させた。高卒3年目の山下舜平大(オリックス)は一軍デビューを飾ると、常時150キロ中盤の直球と落差の大きいカーブを武器に9勝3敗、防御率1.61をマーク。リーグ3連覇に大きく貢献した。救世主の誕生は戦力面で大きなプラスアルファになる。パ・リーグで来季大ブレークが期待される選手を、球団別に挙げてみた。

オリックス・齋藤


オリックス・齋藤響介
今季成績 1試合登板、0勝0敗、防御率0.00
通算成績 1試合登板、0勝0敗、防御率0.00

 宮城大弥、山下と高卒の投手が次々と頭角を現しているオリックスで、「ネクストブレーク」を予感させる右腕が齋藤だ。高卒1年目の今季はウエスタン・リーグで1勝2敗、防御率2.25をマーク。プロ初登板初先発を飾った9月26日の西武戦(京セラドーム)では4回2安打3奪三振無失点の快投を見せた。身長177センチと体格に恵まれているわけではないが、150キロを超える直球にスライダー、フォークも高水準で制球もまとまっている。投球スタイルは絶対的エースとして活躍した山本由伸と重なり、来季の飛躍が楽しみだ。

ロッテ・友杉


ロッテ・友杉篤輝
今季成績 64試合出場、打率.254、0本塁打、9打点、9盗塁
通算成績 64試合出場、打率.254、0本塁打、9打点、9盗塁

 大卒1年目の今季は開幕一軍スタートを切り、俊足を武器に持ち味を発揮したが、夏場以降は下降線に。CSで出番なしに終わり、悔しい思いをした。遊撃のレギュラーを争っていた藤岡裕大を二塁、中村奨吾を三塁へコンバートする案が検討されており、来季は内野陣がシャッフルする可能性がある。友杉が遊撃のスタメンをつかむ成長を見せれば、内野全体が引き締まる。西岡剛小坂誠(現ロッテ守備コーディネーター)らロッテの名遊撃手として活躍した先輩たちのようなスピードスターに進化できるか。


ソフトバンク・井上朋也
今季成績 15試合出場、打率.263、1本塁打、3打点、0盗塁
通算成績 15試合出場、打率.263、1本塁打、3打点、0盗塁

 将来を嘱望された強打者が、高卒3年目の今季一軍デビュー。9月25日のロッテ戦(ZOZOマリン)で小島和哉からプロ初アーチを放ち、CSでもスタメン出場するなど存在感を示した。ソフトバンクは黄金時代を支えた柳田悠岐今宮健太中村晃に現在も依存しており、野手の若返りが急務となっている。三塁の定位置争いでライバルとなる栗原陵矢を超えられるか。同学年の山下舜平太(オリックス)、秋広優人(巨人)は今季ブレークした。井上も負けられない。

楽天・安田


楽天・安田悠馬
今季成績 53試合出場、打率.218、3本塁打、7打点、0盗塁
通算成績 58試合出場、打率.217、4本塁打、8打点、0盗塁

 身長185センチ、100キロを超える恵まれた体格から鋭いスイングで長打を放つ。球界で稀少価値の「強打の捕手」として期待されるが、実戦でその才能を発揮しているとは言い難い。スタメン出場は28試合にとどまり、打撃は確実性の課題を露呈。得点圏打率.121では中軸を務められない。選球眼は良くなっているだけに、甘い球をミスショットしないことがポイントになる。今オフは炭谷銀仁朗が退団し、西武に移籍。正捕手獲りの大きなチャンスを生かせるか。

西武・羽田


西武・羽田慎之介
今季成績 一軍登板なし
通算成績 一軍登板なし

 身長192センチの長身から最速155キロの直球は迫力十分。規格外のスケールでつけられた異名が「和製ランディ・ジョンソン」。高卒2年目の今季はイースタン・リーグで8試合登板し、1勝2敗、防御率2.15。左肩痛で後半戦は1試合のみの登板に終わったが、10月のフェニックス・リーグでは150キロを超える直球を常時計測して復調を印象付けた。マウンド上で豪快な投球を見せるが、おっとりした性格で独特のワードセンスを連発することから天然キャラとしても人気だ。規格外の左腕が一軍でベールを脱ぐ時が楽しみだ。

日本ハム・根本


日本ハム・根本悠楓
今季成績 5試合登板、3勝1敗、防御率2.88
通算成績 18試合登板、6勝4敗1ホールド、防御率2.63

 シーズンは春先から状態が上がらず、夏場に一軍昇格。5試合登板に終わったが、侍ジャパンのメンバーに選出されたアジアプロ野球チャンピオンシップで輝きを放った。予選の台湾戦で6回から救援登板し、2回を走者1人も出さない完全投球。決勝・韓国戦でも3回無失点と好投し、大会連覇に大きく貢献した。同じ左腕で緻密な制球力を武器とする加藤貴之、FAでオリックスから移籍が決まった山崎福也と良きお手本がいる。先発ローテーションで1年間稼働すれば、おのずと結果はついてくるだろう。

写真=BBM
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