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阪神のライバルはDeNA? 「優勝から遠ざかっているのが不思議な球団」指摘が

 

タイトルホルダーは多数


昨年は3位に終わったDeNA。三浦監督の下、今年こそ優勝を手にする


 昨年リーグ優勝を飾り、38年ぶりの日本一に駆け上がった阪神。2位の広島に11.5ゲームの大差をつける圧倒的な強さを見せた。

 例年優勝争いに絡みながら夏場以降に失速するシーズンが続いていたが、昨年は投打にスキがなかった。その阪神が対戦成績で最も苦戦したのが3位・DeNAだった。13勝12敗と勝ち越したが、8月下旬以降は直接対決で5連敗。他球団のスコアラーは、「阪神は確かに強かった。でも投打でタレントの充実ぶりを見ればDeNAも遜色ない。戦力はあるだけに、優勝から遠ざかっているのが不思議な球団です」と指摘する。

 確かに個人タイトルの顔ぶれを見ると、DeNA勢が目立つ。不動の四番・牧秀悟は打率.293、29本塁打、103打点で打点王、最多安打(164)のタイトルを獲得。宮崎敏郎は打率.326、20本塁打、71打点で自身2度目の首位打者を輝いた。投手陣の主役は東克樹だ。近年は故障の影響で結果を残せなかったが大活躍。16勝3敗、防御率1.98で最多勝、最高勝率(.842)とキャリアハイを大きく更新した。エース・今永昇太は7勝4敗、防御率2.80と白星は伸びなかったが、自身初の最多奪三振(174)に。タイトルホルダーではないが、サイ・ヤング賞右腕のトレバー・バウアーは5月から一軍昇格し、10勝4敗、防御率2.76の好成績をマークした。

巻き返しを期するナイン


 シーズンを振り返ると、春先は最高のスタートを切っている。阪神に開幕3連敗を喫したがその後は白星を積み重ねて、3、4月は16勝7敗と大きく勝ち越し。ところが、5月は9勝13敗1分けと失速する。打線は活発だったが、守護神・山崎康晃が月間防御率13.50と乱調だったのが痛手だった。交流戦は11勝7敗と立て直し、4球団が並んだが史上初となるTQB(得失点率=1イニング当たりの得点率と失点率の差)決着で1位となり、球団初の交流戦優勝を達成。6月下旬に単独首位に浮上したが、一、二番が稼働しなかったことで下降線に。出塁率の高さを買われ、一番で起用されることが多かった佐野恵太だったが打率.264と打撃不振に苦しんだ。桑原将志関根大気も一1番にハマらなかった。

 今オフは今永がポスティング・システムでメジャーに挑戦。バウワーの去就も不透明な中で、救援陣の再建、チャンスメーカーの台頭がV奪回に不可欠な条件となる。セットアッパーで期待されながら、昨季27試合登板で3勝1敗6ホールド、防御率4.84と一軍に定着できなかった三嶋一輝は「何とか期待に応えたいと、入り込み過ぎていた。そういう期待を力に変えて、来年にぶつけたい。阪神を見ていて『優勝、いいな』と思った。勝負をかけてやっていきたい」と巻き返しを誓っている。通算227セーブの実績を持つ山崎康も昨季は49試合登板で3勝7敗20セーブ、防御率4.37と不安定だった。7月中旬に中継ぎに配置転換されたが復調できず、9月中旬にファーム降格。CSでも一軍に復帰は叶わなかった。チームに与える影響力の大きさを考えても、活躍してもらわなければ困る投手だ。

野手の新戦力のキーマン


ドラフト1位で入団した度会。即戦力としての期待がかかる


 野手の新戦力でキーマンとなるのがドラフト1位で入団した度会隆輝だ。横浜高−ENEOSと名門を渡り歩いた即戦力野手はミート能力とパワーを兼ね備え、一番の適性が十分にある。鈴木尚典打撃コーチが一、二番争いに割って入ることを期待していることについて、「去年の春先は一番でしたし、与えられた打順で自分の任務を全うしてチームに貢献できればいいなと思っているので、最近は三、四、五番が多いですけど一、二番もやってきているのでカッコイイ打順です」と意欲十分。天真爛漫で物怖じしない性格も球団のチームカラーにマッチしている。昨年11月25日に本拠地・横浜スタジアムで行われた「ファンフェスティバル2023」では新入団選手紹介で人気アニメ『ONE PIECE』の主題歌を熱唱してスタンドを沸かせた。

 戦力の整備だけでなく、攻守で精度を高めることも課題だ。試合の流れを左右するミスが目立ち、相手に主導権を渡す試合が少なくない。26年ぶりのリーグ優勝へ――。今年は積もり積もった悔しさを晴らせるか。

写真=BBM
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