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山川穂高をFA補強したソフトバンクより西武が高得点…今オフの補強採点簿【パ・リーグ編】

 

西武からFAでソフトバンクに移籍した山川


 今季の陣容を整えるため、各球団の戦力補強が続いている。助っ人外国人を含めて今後の動向が気になるところだが、現時点でどの球団が効果的な補強を敢行できているか。パ・リーグは2年連続最下位からの逆襲を目指す日本ハムが最高得点に。楽天は厳しい採点となったが、シーズンに向けてどのようにチームを仕上げていくか注目される。

オリックスは効果的な補強


オリックス  75点
※昨季成績86勝53敗4分 優勝
 絶対的エース・山本由伸がポスティングシステムでドジャースに移籍し、昨季自己最多の11勝をマークした山崎福也は日本ハムにFA移籍。先発2枚が抜けた穴は大きい。簡単に埋まるものではないが、効果的な補強に動いている。新たな先発候補でアンダーソン・エスピノーザ、元ロッテルイス・カスティーヨの加入が決定。最速160キロ右腕のアンドレス・マチャドも強力救援陣に割って入る実力の持ち主だ。野手はFAで獲得した巧打者・西川龍馬が打線の軸として計算できる。左の長距離砲コディ・トーマスが機能すれば切れ目のない打線が実現する。成長著しい若手が多く、優勝候補の筆頭であることは間違いない。

・ロッテ  65点
※昨季成績70勝68敗5分 2位
 昨季41ホールドをマークし、最優秀中継ぎ投手賞を獲得したルイス・ペルドモが自由契約となり、セットアッパーの後釜で最速163キロ右腕のジミー・コルデロを獲得。ジェームス・ダイクストラ、ジュニオール・フェルナンデスの両右腕は先発要員の公算が高い。昨季本塁打王を獲得したグレゴリー・ポランコの残留は朗報だ。来日3年目の今季はさらなる活躍が期待される。DeNAで本塁打王2度の実績を持つネフタリ・ソトは年々本塁打数を減らしているが、輝きを取り戻せるか。ロッテはトレードで加入した選手が活躍することで定評がある。開幕に向け、さらなる戦力のテコ入れがあるかもしれない。

・ソフトバンク 75点
※昨季成績71勝69敗3分 3位
 巨人からトレードでアダム・ウォーカー、西武からFAで山川穂高の両主砲を獲得。右の長距離砲は補強ポイントであることは間違いないが、一番の懸案事項である先発陣の立て直しに不安が残る。昨季は規定投球回数に到達した投手がゼロ。有原航平がチーム最多の10勝で、質量ともに物足りなさが残った。今オフは山崎福也のFA獲得に動いたが実らず。救援陣の屋台骨を支えたリバン・モイネロ、昨季は救援で稼働した大津亮介の先発転向が吉と出るか。森唯斗嘉弥真新也上林誠知らかつての主力選手を戦力構想から外した決断は大きな反響を呼んだ。「血の入れ替え」でチームは生まれ変わるか。

日本ハムは球団史上最多の外国人8人体制


・楽天  55点
※昨季成績70勝71敗2分 4位
 戦力的に厳しい評価となったのが楽天だ。セーブ王に3度輝いた絶対的守護神・松井裕樹が海外FA権を行使してパドレスに移籍。新たな抑えで則本昂大に白羽の矢を立てたが、先発陣の層の薄さは否めない。チームトップの9勝をマークした岸孝之とバッテリーを組んでいた炭谷銀仁朗が2024年の構想から外れる形で退団したことは驚きの声が上がった。前日本ハムのコディ・ポンセを先発要員、前広島ニック・ターリーをセットアッパーで獲得した。NPBでプレー経験があり戦力として計算できるが、それ以外は目立った補強が見られない。投打で若手の台頭に期待したい。

・西武  85点
※昨季成績65勝77敗1分 5位
 主軸としてチームを支えていた山川穂高がFAでソフトバンクに移籍したが、昨季は17試合出場のみ。山川抜きで戦う期間が長かっただけに気持ちは切り替わっている。新外国人選手は戦力として未知数だが、メジャー通算114本塁打のヘスス・アギラーに左の長距離砲のフランチー・コルデロ、新守護神候補のアルバート・アブレイユが異国の地で覚醒すれば、チームがガラッと変わる可能性がある。投手陣はドラフト1位で3球団が競合した左腕・武内夏暉の加入で先発陣が盤石に。救援もFAで去就が注目されていた平井克典の残留は明るい材料だ。さらに山川の人的補償で甲斐野央が加入。戦力整備で打てる手は打っていると言えるだろう。

・日本ハム 90点
※昨季成績60勝82敗1分 6位
 最高得点となったのが日本ハムだ。戦力の流出はポスティングシステムでアメリカ球界に挑戦する上沢直之にとどめ、FAで争奪戦が予想された加藤貴之の慰留に成功。さらに、FAで複数球団の争奪戦を制し、山崎福也の獲得を実現した。先発要員で身長196センチ右腕パトリック・マーフィー、吉田輝星との交換トレードでオリックスから黒木優太が加入と補強の手を緩めない。大物助っ人も加わる。メジャー通算108本塁打のフランミル・レイエスを獲得。日本野球に適応できれば大きな戦力になる。さらに2020、21年に所属していた右腕のドリュー・バーヘイゲンがメジャーから復帰。球団史上最多の外国人8人体制となる。来季は新庄剛志監督が就任3年目。2年連続最下位に沈んだ悔しさを糧に、大型補強でジャンプアップできるか。

写真=BBM
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