新幹部が一致団結して

　法大の新主将・吉安遼哉(4年・大阪桐蔭高)と副将・西村友哉(4年・中京大中京高)には、共通のライバルがいる。

　早大の主将・印出太一(4年・中京大中京高)である。吉安は言う。

「中学時代、ボーイズ日本代表のチームメートでした。当時から野球に取り組む姿勢が真面目。同じ捕手としても絶対、負けたくない」

　3年春から正捕手としてマスクをかぶり、春、秋と全試合に出場した。法大は2020年春を最後にリーグ優勝から遠ざかっており、入学以来、天皇杯をつかんでいない。レギュラーで出場した昨春は2位、秋は4位だった。夏場に右手有鈎骨を骨折し、1カ月ほど離脱したが、秋には間に合わせた不屈の闘志がある。

「簡単には勝てない。どの大学も、死に物狂いでぶつかってくる。特に昨秋優勝した慶大は、4年生が気持ちを前面に出してきた。戦っていて嫌でした。法政は信頼をなくしている。春は勝って、期待されるようなチームにしたいです。捕手として最も評価されるのは優勝。ベストナインを受賞したいと思います」

　西村は印出とは小学6年時の中日ドラゴンズジュニアでチームメートになると、東海中央ボーイズ、中京大中京高を通じてのチームメート。そして、大学は東京六大学に進んだ。

「意識しています。同じ右打者としても尊敬している。年末にプロへ進んだ高橋宏斗(中日)、中山礼都(巨人)など同級生とOB会で会う機会がりました。中山は体が大きくなっていましたね。皆、高校時代と変わっておらず、英気を養うことができました」

　1年秋以来の規定打席に到達した昨秋は、打率.302をマーク。昨季までの左翼から、今春は慣れ親しんだ中堅での起用が予想される中で「一〜三番を打ちたい。目標は打率4割、出塁率4割、本塁打3本」に設定している。

　新幹部である副将・武川廉(4年・滋賀学園高)、主務・黒坂夏希(4年・法政大高)とともに、チームの中心としてV奪回を固く誓う。

文=岡本朋祐