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【大学野球】楽天・松井友飛の背中を押した金沢学院大・角尾貴宏監督が語る石川県復興支援への思い

 

「目の前のことを一生懸命やるしかない」


金沢学院大・角尾監督は地元・石川県の復興支援への思いを語った[写真=BBM]


 全日本大学野球連盟の監督会が1月16日、神奈川県横浜市内のホテルで行われた。

 全体会の冒頭で、全日本大学野球連盟・本郷茂副会長は1月1日に発生した能登半島地震での被災者へのお見舞いと、復興を願った。

 北陸大学野球連盟からは金沢学院大・角尾貴宏監督が出席。全体会後、取材に応じ、地元の状況について語った。

「輪島出身の野球部員4人が甚大な被害に遭いましたが、幸い無事で、地元の避難所から金沢に戻ってきました。精神的なショックも大きいので、私たちは心のケアに努めています。私は大学の学生課に勤務しているんですが、被災した一般学生に対しても、周囲の安全確認をして、すべてが落ち着いてから学校に来ればいいと、指導しています」

 野球部では県を通じて、水15ダースを被災地へ送った。角尾監督の親戚関係も被災地で不自由な状況というが、現状は身動きが取れない。交通網が混乱し、能登地方へ向かう道路は大渋滞が続いている。「何か手伝いに行きたくても、むしろ迷惑がかかるから、静観しています」と、手ぐすねを引いて待つ。

 金沢学院大での教え子にあたる楽天松井友飛は、出身地の穴水町で被災。拠点である仙台へ戻る前に、相談を受けたという。

「『野球をやっていて、いいんですかね?』と言うので『野球を頑張ることで、石川で大変な方々を元気づけることしかできないだろう!』と、背中を押しました」

 現状、野球部の活動には支障はないが、年明け早々の震災を受けて、石川県出身の角尾監督には特別な思いがある。

「学生には、いろいろ思うところがあると思いますが、大学生活は今しかないわけです。われわれの活動が元気と勇気を与えられるならば、目の前のことを一生懸命やるしかない」

 角尾監督は復興支援への思いを語る。

「県の許可が下りれば、一刻も早く、被災地へと、ボランティアに行きたいです」

 愛着ある故郷への思いを馳せていた。

文=岡本朋祐
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