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吉川尚輝に強力なライバル出現 「攻守で即戦力」と巨人新戦力に高評価が

 

熾烈なレギュラー争い


キャンプで一軍スタートとなった泉口。ハツラツとした動きを見せている


 今年の巨人は、各ポジションで熾烈なレギュラー争いが繰り広げられている。

 左翼は実績十分の丸佳浩と若手成長株の秋広優人が競い合う。中堅は浅野翔吾、ドラフト3位の佐々木俊輔松原聖弥岡田悠希萩尾匡也オコエ瑠偉と最激戦区に。外野だけでない。内野で唯一レギュラーが確定していないのが二塁だ。吉川尚輝が最有力であることは間違いない。昨年は二塁で131試合に先発出場。レギュラーが長年固定できなかったポジションで、130試合以上は2004年の仁志敏久が記録した137試合以来の快挙だった。俊足を生かした広い守備範囲に加え、球際に強い。好守で再三チームを救ってきた貢献度は高い。

 攻守で野球センスが光る選手だが、今年から就任した阿部慎之助監督がレギュラーを確約しなかったのは、さらなる奮起を促す意味合いが強いだろう。昨年は2年連続規定打席に到達したが、打率.256、7本塁打、36打点は物足りない。打撃フォームで試行錯誤し、好調な期間を持続できなかった。4盗塁と前年の16盗塁から大きく減らし、併殺打は前年の倍の12だった。

攻守で即戦力になりうる存在


 吉川を脅かす選手が現れるか。ライバルの存在が大きな刺激になる。その可能性を秘めた新戦力がドラフト4位の泉口友汰だ。大阪桐蔭高、青学大、NTT西日本とアマチュアの王道を歩み、「社会人No.1遊撃手」と評されていた。春季キャンプは一軍スタートに。他球団のスコアラーはこう評する。

「守備がうまいのは分かっていたが、実際に見ると想像以上にスイングが力強い。ツボに入ったら長打を放つ怖さがある。プレースタイルが門脇と重なるよね。遊撃のバックアップだけど、二塁もこなせるでしょう。攻守で即戦力になりうる」

 同じ遊撃で門脇誠とノックを受ける姿を見ると、守備の安定感は遜色ない。ドラフト4位で入団という共通点を持ち、門脇が着けていた背番号「35」を泉口が今年から引き継いだ。1学年下の門脇がプロで飛躍した姿は良きお手本になるだろう。新人の昨年は守備能力の高さを評価されて春先から三塁、遊撃、二塁とさまざまなポジションでスタメン出場。チームに求められる役割をこなし、打撃も7月以降に上昇気流に乗った。シーズン終盤には遊撃の定位置をつかみ、126試合出場で打率.263、3本塁打、21打点をマーク。11盗塁と機動力も大きな武器になった。

プロ意識が高い「35」の前任者


 門脇はプロ意識の高さが首脳陣、ナインに一目置かれている。一つひとつの練習や取り組みの意図を考え、向上心が強い。グラウンドから離れてもコンディションを整えることに集中する。

 昨年8月に週刊ベースボールの企画で快眠法を聞かれた際、「最近、ホットアイマスクを着けて寝ています。ナイターが終わったら次の日に備えて早く寝たいんですけど、やっぱり試合中の興奮が冷めなくて寝つけない日が多かったんです。あるとき、ファンの方がくださったホットアイマスクを使ってみました。10分ぐらい着けて、眠くなったら外すんですけど、目がフワ〜っとして、疲れが取れている感じがしました。それから、毎日のように使っています。すごくいいものをいただきました。それと、川のせせらぎなど入眠に良いという自然の音を流しながら寝ます。睡眠はコンディショニングの中でも大切なので、ほかにもいい方法があれば試してみたいですね」と語っていた。

 アマチュア野球を取材するスポーツ紙記者は、「泉口は門脇と性格が似ていると思います。真面目な性格で気持ちの浮き沈みを周りに見せないし、コツコツ努力できる。キャプテンシーもありますし、周りを引っ張る力がある。巨人は良い選手を獲得したと思いますよ」と期待を込める。

 二遊間は吉川、門脇のコンビが最有力だが、泉口のほかに中山礼都湯浅大も虎視眈々と定位置奪取を狙っている。ハイレベルな競争がチーム力の底上げにつながる。

写真=BBM
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