週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

昨季3試合登板のみも…巨人のドライチ右腕が「守護神抜擢」可能性が

 

春季キャンプで見せた仕上がりの良さ


昨年3試合の登板に終わった堀田。今年はシーズン通しての活躍を誓う


 一軍生き残りに向け、各球団の若手選手がオープン戦でアピールを続ける中、巨人もドラフト3位の佐々木俊輔、ドラフト5位の又木鉄平、育成枠から支配下昇格した京本眞中田歩夢などイキのいい若手が台頭している。気になるのは救援陣の整備だ。今春の春季キャンプ中に右ふくらはぎ痛で戦列を離れた大勢は、今月7日にジャイアンツ球場の室内練習場で行われたシート打撃に登板。開幕に合わせて調整続けているが、長いシーズンを見据えると無理にペースを上げるのは禁物だ。間に合わなかった場合は誰を抑えに据えるか――。有力候補に挙がっているのが、プロ5年目の堀田賢慎だ。

 昨年は右肩のコンディション不良で出遅れた。7月下旬に一軍昇格したが、3試合登板で防御率8.10と不本意な成績に。期する思いは強いだろう。昨年10月の秋季教育リーグで防御率0.90をマーク。志願参加した11月の台湾ウインター・リーグでは自己最速を更新する157キロを計測するなど常時150キロの直球で押し込み、4試合登板で2勝0敗、防御率1.40と抜群の安定感を誇った。

 今年の春季キャンプでも仕上がりの良さは際立っていた。練習試合、オープン戦で好投を見せると、3月2日に台湾で開催された球団創設90周年親善試合・中信戦で3点リードの9回に登板。セーブシチュエーションで、1回無安打2奪三振無失点と堂々の投球を見せた。

コンディションに細心の注意


 入団1年目の20年にトミー・ジョン手術を受け、21年8月に実戦復帰。22年は8試合の先発登板で2勝3敗、防御率6.29をマークした。ドラフト1位で入団したが、平坦な道のりではない。入団1年目に右肘の手術を経験したことで、コンディションを整えることに細心の注意を払う。

「プロ1年目は手術を終えたばかりだったので、サプリメントがお給料の一番の使い道でした。まだ知識が浅かったので、栄養士さんから『こういう栄養素が必要だよ』という話を聞いて、勉強をしながら、ウエート・トレーニングの効果を高めるプロテインや運動中に飲む『EAA』、食事のときに飲むビタミンなどを購入していました。毎回5、6万円ぐらいの出費になっていたと思います。決して安くはない買い物ですが、自己投資は大切だと思っているので、今でも続けています」と語っている。

 昨季の巨人の救援防御率3.81はリーグワースト。堀田が「勝利の方程式」に組み込む活躍を見せれば、心強い。三振奪取能力が高く、強気な性格は抑えの適性も十分にある。

リリーフ陣を整備できれば


 野球評論家の伊原春樹氏は、週刊ベースボールのコラムで、リーグ連覇を狙う阪神の対抗馬に巨人を挙げている。

「巨人は戦力的にも充実している。打線は昨年もリーグNO.1の164本塁打を放ったが、今年も岡本和真を中心に強力だ。とっかえひっかえではなく、ある程度、スタメンを固定して戦っていけば昨年以上の得点力を誇るはず。阪神打線にも決して引けを取らないだろう。投手陣も上積みがある。昨年のチーム防御率はリーグ5位の3.39。ボールが飛びやすい東京ドームを本拠地にしているのは不利ではあるが、それでも投手陣が踏ん張らなければ優勝は近づいてこない。先発では昨年、4勝8敗に終わった菅野智之が順調に調整を進めていることがプラス点だ。全盛期のピッチングまでとは言わないが、経験を生かしてイニング数を稼ぐパフォーマンスを見せてくれればチームにとって大きい」

「リリーフ陣はソフトバンクから泉圭輔、阪神から馬場皐輔ケラーオリックスから近藤大亮を獲得。新人の西舘勇陽、又木鉄平もいる。層が厚くなり、勝利の方程式を固められなかった昨年の二の舞に陥ることはないだろう。不安点は大勢が出遅れていることか。仮に守護神が開幕に間に合わなければ、誰にその座を託すのか。そこさえクリアできれば、阪神の前に大きな壁として巨人が立ちふさがるはずだ」

 抑えがきっちり稼働できるかをカギに挙げる中、開幕に9回を託すのはどの投手になるか。大勢、ケラーが有力候補だが、開幕一軍入りを目指す堀田が好投を続ければ、大役に抜擢される可能性はゼロではない。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング