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オープン戦最下位も死角なし? 他球団が「エースぶつける阪神包囲網」提案

 

しっかり状態を上げている投手陣


球団史上初の連覇を狙う岡田監督


 リーグ連覇を狙う阪神が、オープン戦で初戦から9連敗を喫するなど1勝11敗1分。大きく負け越して最下位だが、悲観する必要はないだろう。

 その根拠として、先発陣がきっちりコンディションを上げていることだ。連覇を9で止めた3月13日のロッテ戦(ZOZOマリン)は先発の伊藤将司が5回2安打1失点の快投。オープン戦で不安定な内容が続いていたが、低めに球を集める丁寧な投球を取り戻して先頭打者を一度も出さなかった。6回からマウンドに上がった村上頌樹も4回3安打1失点。イニングを重ねるごとに安定感が増し、順調な仕上がりをアピールした。15日の中日戦(バンテリン)は開幕投手を務める青柳が6回4安打無失点の好投。大竹耕太郎才木浩人、ファームで実戦登板している西勇輝も開幕に向けて状態は良くなっており、心配はないだろう。

 他球団のスコアラーは、「オープン戦の成績はあてになりませんよ。投手陣がしっかりしているし、打線も近本光司中野拓夢大山悠輔佐藤輝明と軸がいる。最も手ごわい相手であることは間違いない。各球団は策を練っていると思いますが、エース級の投手をぶつけるなど阪神包囲網を敷いて混戦に持ち込みたいですね」と指摘する。

「選手がうぬぼれていない」


 野球評論家の広岡達朗氏も、阪神のリーグ連覇を週刊ベースボールのコラムで予想している。

「キャンプも終盤に差し掛かってきた。テレビでキャンプ中継を見ていると、ただ一生懸命にやっているか、優勝するためにやっているか、その違いが私にははっきりと分かる。優勝予想には少し早いが、今年もセ・リーグは阪神が優勝するだろう。あとを追うのは巨人広島だと思う。今の状態のままだと中日は今年も最下位だ」

「阪神は昨年日本一になったからといって選手たちがうぬぼれていないのがいい。立ち姿、歩き方、走り方はもちろん、笑い方まで違う。笑っていても目の奥までは笑っていない。高い競争意識の中での笑いだ。初の紅白戦では主力クラス、ルーキー、外国人が区別なく、横一線で出場していた。岡田彰布監督はバックネット裏から試合を凝視。これ以上の“御前試合”もない。監督というのはこうした存在感が必要。さっきまでブルペンにいたのに、いつの間にか別の場所にいるという具合に、常に目を光らせておかなければいけない」

若い力の突き上げが必須


 阪神は球団史上一度も連覇を飾ったことがない。1985年に日本一に輝いた翌年の86年は主砲・掛布雅之が右手首骨折の影響で67試合出場にとどまったことが痛手だったが、敗因は先発陣が機能しなかったことだった。2ケタ勝利を挙げた投手はゼロ。前年に13勝を挙げたリッチ・ゲイルは5勝、12勝をマークした中田良弘は0勝の大誤算だった。

 岡田彰布監督が第1次政権で05年にリーグ制覇したが、06年は落合博満元監督率いる中日に優勝争いで敗れた。直接対決で7勝14敗1分と負け越し、ナゴヤドームで1勝10敗と惨敗を喫したことが大きく響いた。

 岡田監督は週刊ベースボールのコラムで、「05年に優勝し、そら連覇を強く意識した翌06年シーズン。オレは優勝できると思ってたわ。05年には届かなかったけどシーズン84勝よ。十分に優勝してもおかしくない数字やのに、それの上を行くチームがいた。中日よ。ホンマ、ガックリときた。84も勝って優勝できないなんて……。それだけ連覇するのは難しいというのが分かったな」と振り返った上で、今年の連覇に向けてこう語っている。

「連覇するには、まずチームをさらに強化すること。必ず前年より戦力の上積みが必要なんです。戦力的に維持していても、他球団は大きな戦力アップを施してくる。ターゲットにされるわけやし、それに対応するだけの内部強化をする必要がある。それには若い力の突き上げが必須であり、オレはこのキャンプから、思い切り若い選手を試そうと考えている。投手なら門別(門別啓人)、野手なら野口(野口恭佑)、前川(前川右京)、井上(井上広大)など可能性ある選手が多くいる。さらに二軍との入れ替えも多くなるだろうし、ここに大きな期待を寄せている」

 他球団の厳しいマークを乗り越え、球団史上初のリーグ連覇できるか。歴史を塗り替える戦いが始まる。

写真=BBM
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