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阪神が開幕2連敗も心配なし? 他球団が「警戒するキーマン」は

 

昨年より状態は間違いなくいい


阪神の開幕投手となった青柳。5回3失点で負け投手となった


 リーグ連覇を狙う阪神が3月30日の巨人戦(東京ドーム)に0対5で敗れ、開幕2連敗。1988年以来36年ぶりの開幕2試合連続完封負けを喫した。

 勝負の分岐点となったのは4回一死一、三塁の好機だった。坂本誠志郎がセーフティースクイズを試みたが一邪飛となり、飛び出していた三塁走者の大山悠輔も憤死。先制機を生かせなかった。先発の大竹耕太郎は5回まで無失点と踏ん張ったが、6回に岡本和真に先制2ラン、坂本勇人にもソロを浴びて3失点で降板。投打が最後までかみ合わなかった。

 ただ、シーズンは長い。悲観する必要はないだろう。他球団のスコアラーは警戒を強める。

「投手力が良いチームですし、昨年の経験値がある。きっちり立て直してくるでしょう。開幕投手に青柳晃洋を抜擢した采配からも、阪神はどっしりしているなと感じましたね。青柳は勝てませんでしたが、昨年より状態は間違いなく良い。今年は期する思いが強いはず。村上頌樹、大竹が昨年は先発の柱として奮闘しましたが、阪神のエースは青柳。今年のキーマンであることは間違いない」

指揮官が大役を託した理由


 2021、22年と2年連続最多勝に輝いたが、昨年は苦しんだ。18試合登板で8勝6敗、防御率4.57。だが、最後に意地を見せた。先発に抜擢された日本シリーズ7戦目。3勝3敗で迎えた大一番で5回途中無失点の好投で、チームの日本一に貢献した。今年は村上が開幕投手の最有力候補と目されていたが、岡田監督は2年連続で青柳に大役を託した。週刊ベースボールのコラムで、その理由を明かしている。

「スポーツ新聞をはじめ、メディアは開幕投手の本命は『村上』と考えていたようだ。もちろん、オレの頭の中に村上の名前はあったわ。昨年の活躍はホンマ、素晴らしかったし、1年を通じて実に安定した内容を示してくれた。新人王にMVP。文句なしの中身やったし、巨人戦にも強い。そらマスコミが村上を推すのも分かる。でも、な、オレの基本的な考え方は違ったな。確かに青柳は昨年、苦しんだわ。本来のピッチングができずに二軍も経験した。それでも最後は意地というのかな、踏ん張ったし、日本シリーズの7戦目に先発で『大きな』仕事をこなしてくれた。それはこれまでの『実績』に裏打ちされたものなのよ」

「オレはその実績を重視する。それは何年もかけて築いてきたものであり、それを軽く見ることはできない。そら村上はいいピッチャーよ。開幕投手にふさわしいかもしれない。でも、やはり昨年1年のことよ。昨年と同じ、それ以上の投球が今年、できるかどうか。オレはできると信じるけど、やはり1年のみのキャリア。開幕投手を選ぶとき、ここにオレは重きを置くわけよ」

優勝争いに影響する「伝統の一戦」


 指揮官の思いはひしひしと伝わっていた。開幕戦の登板は4回まで無失点。ただ、5回に想定外の出来事で試合の流れを手放してしまった。先頭打者の吉川尚輝に右翼フェンス直撃の二塁打で出塁を許すと、戸郷翔征に初球を投じる動作の途中でボークを宣告された。マウンド上で両手を広げ困惑の表情を浮かべた。一死三塁から佐々木俊輔の打球が遊撃野選となり、先制を許すと、梶谷隆幸に2ランを浴びて3失点。21年5月から自身5連勝中だった東京ドームで3年ぶりの黒星となった。投球内容は決して悪くない。悔しい結果となったが、手ごたえをつかんだだろう。

 球団史上初のリーグ連覇は決して容易ではない。昨年18勝6敗と大きく勝ち越した巨人が攻守にスキのないプレーを見せ、昨年とは一味違った姿を見せている。岡田監督は開幕前に、「まあ、あえてほかのチームのことを、となれば、やっぱり巨人が気になるチームと言える。その理由だが、監督が代わったこと。原辰徳から阿部(阿部慎之助)新監督になり、果たしてどういう野球に変わっているのか。原前監督の野球なら、分かっているが、監督交代によって、どう変化しているのか。ここがまず気になるところよ。さらに巨人という球団の特性というのかな。Bクラスが続いて、球団としてもこのままでは……と必死の立て直しを図ってくる。チーム全体として補強があり、手ごわいチームになっているという印象は強い」と警戒を強めていた。

 今年の「伝統の一戦」は、リーグ優勝に大きく影響する戦いになりそうだ。

写真=BBM
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