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坂本勇人だけではない…通算3000安打狙える「パ・リーグの強打者」は

 

野手キャプテンにも就任


四番として勝負を決める一打を放ちたい。浅村の今後の活躍に期待だ


 2年連続Bクラスからの巻き返しを狙う楽天。3月31日の西武戦(楽天モバイル)で延長11回の激闘をサヨナラ勝ちで制した。開幕2連敗を喫し、3戦目も3点を先制される苦しい展開だったが、意地を見せた。監督初白星をマークした今江敏晃監督もホッとしただろう。笑顔でナインをねぎらっていた。

 変革期を迎え、投打の主力選手の大胆なコンバートに踏み切った。先発の大黒柱として活躍していた則本昂大が守護神に。抑えの松井裕樹がパドレスへFA移籍したことに伴い、強心臓の右腕に白羽の矢を立てた。そして、浅村栄斗を二塁から三塁へコンバート。一塁を守った経験はあるが、三塁を最後に守ったのは西武時代の2014年8月30日のオリックス戦(西武ドーム)までさかのぼる。

 野手キャプテンにも就任し、「四番・三塁」でチームを引っ張ってほしいという今江監督の強い思いが込められている。通算2000安打に残り155本、通算300本塁打にあと17本に迫っているが通過点に過ぎない。23年9月14日のオリックス戦(楽天モバイル)で、パ・リーグ最多連続1144試合出場を達成。他球団の首脳陣はこう評する。

「広角に長打を打てるのが一番の魅力。打撃技術の引き出しが多いので、1年間通じてきっちり結果を残す。これほど心強い存在はいないでしょう。三塁にコンバートされたことで、体のキレを取り戻して選手寿命がさらに伸びると思います。打撃にも集中できますしね。今33歳? 40歳を超えてもプレーできますよ。2000安打どころか、通算3000安打も狙える」

 西武でレギュラーに定着したのが高卒3年目の11年。スピード感あふれるプレースタイルから、体が大きくなっていくと同時に長距離砲として進化している。昨年は打率.274、26本塁打、78打点で自身2度目の本塁打王を獲得。だが、前半戦は打撃不振に苦しみ、チームは最終戦に敗れて2年連続BクラスとCS進出すら叶わなかった状況に、悔しさのほうが強かっただろう。

4打席目以降に11本塁打


 喜怒哀楽を表に出さない性格の浅村だが、責任感は誰よりも強い。あるデータがある。昨年の26本塁打の内訳をみると、試合終盤に打席が回ってくる4打席目以降に11本塁打をマークしている。週刊ベースボールのインタビューで、打席に入るときの変化について聞かれ、こう語っている。

「一緒ですけど……、ただ、9回にホームランを打っているときは8回にピッチャーが打たれたりとか、9回に松井(松井裕樹)が打たれたりとか、いつも後ろでタフなゲームを頑張っているピッチャーが打たれているときが多いのかなと思います。そういうピッチャーのために何とか打ってあげたいという気持ちは最後のほうになると、どんどん強くなってくるので。もちろん先発ピッチャーに対してもそういう気持ちはあるのですが、ほぼ毎日試合に投げないといけなかったり、7、8、9回とプレッシャーのかかる場面で登板するリリーフ陣と先発は全然違うポジションだと思うので、そういうピッチャーがやられたりとか、悔しい表情を見ていると、何とかしたいという気持ちが出てきますね」

「試合中は自分の成績ってそんなに考えていなくて。なんとか勝ちたいとか、そのピッチャーのためになんとか打ってあげたいとかそういう気持ちのほうが僕は強いので、回を追うごとにそういう気持ちは出てきます」

「もう優勝しかない」


 今年の楽天は下馬評が高いとは言えない。だが、昨季頭角を現した村林一輝小深田大翔小郷裕哉、復活を誓う島内宏明茂木栄五郎らタレントはそろっている。投手陣も早川隆久荘司康誠内星龍が先発で一本立ちし、岸孝之田中将大らベテランが奮起すれば白星を積み重ねられる。もちろん、浅村が大黒柱としてチームを引っ張る。

「もう優勝しかないので。ファンの皆さんは待ちわびていると思いますから、結果で見せたいなと思います。そのためにも自分が、レギュラー陣、そしてチームの先頭に立って、やり続けるということを意識してやりたいです。注目ポイントは、ずっとグラウンドに出続ける姿を見てほしいですね」

 開幕3連戦は無安打に終わったが、シーズンはまだ始まったばかり。今年は春先から打棒爆発に期待したい。

写真=BBM
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