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愛すべき助っ人たち

クロマティをして「僕らのゴッドファーザー」と言わしめ…プロ野球の通算“首位打者”リー【愛すべき助っ人たち】

 

「モンスターと呼ばれたくない」


ロッテで11年間、プレーしたリー


 いよいよ2024年のプロ野球もペナントレースが開幕した。さて、通算打率の“規定打数”とされているのは4000打数なのだが、この“首位打者”は入れ替わるのだろうか。時代が平成となって以降、ほとんどの間、その座に君臨しているのがロッテで11年間プレーして打率.320を残したレロン・リー。言うまでもなく、助っ人のみの通算“首位打者”も、ロッテ球団の通算“首位打者”も、このリーだ。

 来日は1976年の秋。当時は、助っ人のトラブルメーカーが多かった時代でもあり、巨大なラジコン飛行機を手に来日したリーも、当初は不審な(?)目で見られていた。さらにはキャンプの打撃練習でボテボテのゴロを量産して、「史上最低の助っ人」、「大砲なんてとんでもない。壊れたピストルだ」等など、散々な評価を受ける。

 ところが迎えた77年、開幕2試合目から14試合連続安打、5月からは11試合連続打点、5月を終えた時点で20本塁打に51打点の大爆発で、あるスポーツ紙は「リーさん、ごめんなさい。ひたすら不明を恥じるだけ」と紙面で謝罪。これこそが、通算“首位打者”の颯爽デビューだった。そして閉幕まで残り1カ月の時点では三冠王ペースで、首位打者こそチームメートの有藤道世に譲ったものの、34本塁打、109打点で本塁打王、打点王の打撃2冠に輝いている。

 性格は真面目。モンスターの異名がつくと「私はモンスターとは呼ばれたくない。ナイスガイと呼ばれたい」と真顔で語っていたが、判定をめぐっては「審判に文句を言う時間があったら自分の技術を磨いたほうがいい」というナイスガイだったことも間違いない。のちには、やんちゃなパフォーマンスでも名を残す巨人ウォーレン・クロマティが「リーは僕ら(助っ人)のゴッドファーザー」と称えるなど、親分肌でもあった。

 数字も抜群だ。在籍11年のうち打率3割に届かなかったのはラストイヤーの87年のみで、80年には打率.358で初の首位打者に輝いているが、安定感だけではない。通算1579安打は歴代の助っ人では3位で、同283本塁打は5位、同912打点は4位。もちろん、ロッテの助っ人では“三冠王”だ。

写真=BBM
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