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【大学野球】東京六大学が懇親会を開催 6校の主将が語ったシーズンに向けた決意

 

日本野球界の先駆者として


東京六大学リーグ戦は4月13日開幕する。熱戦を2日後に控え、同連盟では懇親会を開催し、6校の主将がシーズンに向けた決意を語った。左から慶大・本間、明大・宗山、早大・印出、法大・吉安、立大・田中、東大・藤田[写真=BBM]


 東京六大学野球連盟は1925年秋に創設され来年、結成100周年を迎える。今春のリーグ戦開幕を2日後に控えた4月11日、東京都内で懇親会が開催。加盟6校の野球部長、監督、主将、主力選手、連盟役員らが出席した。

 チームを背負う6校の主将が決意を述べた。

 慶大・本間颯太朗(4年・慶應義塾高)はパンチ力のある三塁手で、影響力のある発信力と、積極的な行動でチームを引っ張っている。慶大は昨秋の優勝校で、明治神宮大会を4年ぶりに制したが、挑戦者の姿勢を一貫とする。

「一戦必勝で戦っていく。氣を前面に、関西出身なので、ガツガツ感を出していきたい」

 明大・宗山塁(4年・広陵高)は3月の侍ジャパントップチームに招集(欧州代表との強化試合)されたが、2月末のオープン戦で受けた死球による右肩甲骨骨折で欠場。全治3カ月の診断も、その後の経過は良好だという。自身の判断で内野守備、打撃練習を行っており、制限をかけているものの、オープン戦にも出場している。明大・田中武宏監督は復帰へ向けて慎重だが、ドクター、トレーナーとの相談の上、本人の意向も尊重する構えだ。

「チームとして4冠の目標を掲げているので、一戦必勝で目の前の相手に全力を尽くしてまずはリーグ戦を取って、日本一という目標に向け、今年のスローガンである『輪』のとおり、全員で束になって戦いたいと思います。主将となり、昨年までとは変わった役割が求められる。試合はもちろん、ベンチ内での振る舞いも昨年とは変わった役割になると思うので、そこも見てもらえればと思います」

 早大は2020年秋を最後にリーグ優勝から遠ざかる。第114代主将・印出太一(4年・中京大中京高)は「歴史と伝統を受け継いでいく姿を見せる」と、早大の永遠の合言葉である「一球入魂」を実践した上で、強打の捕手は神宮での結果にこだわる。「大学入学以来、一度も優勝していないので、自分たちもそうですが、後輩たちに優勝の景色を見させてあげたい」と決意を語った。

 早大と並ぶ最多46度のリーグ優勝を誇る法大の優勝は、2020年春が最後。昨秋まで3年間、助監督を務め、今年1月1日に就任した大島公一監督、2月1日付で母校に戻ってきた高村祐助監督の新体制で臨む。不動の正捕手・吉安遼哉(4年・大阪桐蔭高)は「3年間の悔しさをすべてぶつけたい。主将として立ち居振る舞いから意識し、チームを引っ張っていきたいと思います」と語った。

 立大は今春から指導する木村泰雄監督と清永健二コーチの同級生コンビで、浮上を狙う。巧打の内野手である田中祥都(4年・仙台育英高)は「『結束』のスローガンの下、(2017年春以来)7年ぶりのリーグ優勝を遂げ、神宮で木村監督を胴上げしたいです」と、束となって対戦5校との「対抗戦」に挑んでいく。

 1998年春から52季連続最下位の東大は「優勝」を目標に掲げる。例年は「最下位脱出」「勝ち点2」という現実的な設定をしていたが、24年はあえてターゲットを引き上げた。昨秋まで助監督(23年は井手峻前監督が病気療養のため監督代行)を務めた大久保裕監督が就任。同級生である石井清助監督との強力タッグで、チームを強化してきた。遊撃手の藤田峻也主将(4年・岡山大安寺中等)は「昨秋までの悔しさを胸に取り組んできました。練習の成果を発揮していきたい。元気な声に注目していただきたいです」と話した。

 24年は早大が、6校持ち回りの当番校である。懇親会の中締めで、早大・岡村猛先輩理事(元監督)は「東京六大学は、学生野球のリーダーとしての自覚が求められます。神宮で好ゲームを展開するだけではなく、学生野球らしいハツラツとした動き、(相手をリスペクトした)フェアプレーを実践する必要がある」と話した。創設99周年の東京六大学は、説明するまでもなく、プロ野球(今年で90年)よりも歴史が長い。東京六大学は天皇杯をかけた真剣勝負の一方で、6校が手を取り合う「共存共栄」の精神が根底にある。ライバルであり、良き仲間。日本の野球界の先駆者として、その役目を果たしていく。

文=岡本朋祐
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