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【大学野球】リーグトップの打率.458 プロ入りへ「勝負の年」に打撃好調の早大・尾瀬雄大

 

チームを活気づける切り込み隊長の積極性


早大・尾瀬は11回表にタイムリー。待望の先制点を挙げた[写真=矢野寿明]


【4月29日】東京六大学リーグ戦(神宮)
早大5-0明大
(延長11回、早大2勝1敗)

 1勝1敗、勝ち点勝負の3回戦。早大、明大とも相譲らず、0対0のまま、延長に入った。

 11回表。無死二、三塁で一番・尾瀬雄大(3年・帝京高)が打席に立った。

「(10回無失点の)樹(伊藤樹、3年・仙台育英高)がずっと頑張っていて、何とか点を取ってあげたいと思っていました。(早大)小宮山(悟)監督から『内野が前へ出てくるから野手の間を抜け。とにかく任せた!!』と指示がありました。当たりは強くなかったですが、抜けてくれたので良かったです」

 根性の右前打である。早大が待望の先制点挙げた。この後も打線がつながり、一挙5点のビッグイニングとなった。尾瀬の決勝打で、伊藤樹は被安打6の完封。早大が開幕カードの立大に続いて、勝ち点2を挙げている。

 尾瀬は外野のレギュラーに定着した2年春に打率.347で初のベストナイン受賞。同秋は相手のマークに遭いながらも打率.271と踏ん張った。春、秋で年間30安打を放ち、不動の一番打者として、早大打線をけん引した。

 大学卒業後のプロ入りを目指す尾瀬は、3年時を「勝負の年」と位置づけている。今春も打撃好調。6試合中5試合で安打を放ち、勝ち点を挙げた明大3回戦を含め、2試合で3安打をマーク。第3週を終えて、打率.458はリーグトップである。明大3回戦では1回表、初球をたたくと、中前へ運んだ。斬り込み隊長の積極性が、チームを活気づけている。

「昨年から打撃スタイルを変えることなく、バットを振ってきました。自分の形でシーズンをやり切る。バットを振ったことが、1打席目から迷いなく振れる理由だと思います」

 試合後の会見中、早大・小宮山監督は、尾瀬の質疑応答の際に「補足します」と、エピソードを披露した。

「練習で一番、振っている。(全体練習前後の)特打の希望者を聞くと必ず、手を挙げてくる。やった奴が勝つ。結果に出て、頼もしい限りです」

 2020年秋以来の天皇杯奪還へ。トップバッター・尾瀬のバットがチームに勇気を与える。

文=岡本朋祐
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