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首都大学リポート

リーグトップを快走する4本塁打 主将も務める城西大の頼れる主砲・坂口渉【首都大学リポート】

 

一球で仕留める練習


城西大の主将・坂口は今季4本塁打と存在感を示している


【5月5日】首都大学一部リーグ戦
日体大7-6城西大
(日体大2勝)

 首都大学リーグ第5週2日目。好調な打撃で城西大をけん引する主将・坂口渉(4年・興譲館高)。日体大に先勝を許した2回戦も四番・三塁で出場し、貴重な一発を放っている。

 坂口は2年秋にリーグ戦デビュー。3年春には二部でリーグトップの4本塁打、14打点を記録。打率.412もリーグ3位の好成績を残しベストナイン(三塁手)を受賞した。しかし、一部に昇格した昨秋は満足な成績を収めることができなかった。

「厳しいところを攻められるという考えで頭がいっぱいいっぱいになってしまいました。また、欲が出てしまって変化球の見切りができず、ボール球に手を出してしまい、バットが下から出て自分のスイングができませんでした」

 今シーズンを迎えるにあたり「頭の中を整理して、もっと楽に考えて打席に入るようにしました」と明かす。開幕週は思い通りの結果を残せなかったが、第2週の日体大戦で本塁打。さらに、第3週が空き週になったのを利用し「『自分が打たないとチームに勢いが出ない』とプレッシャーをかけ、集中力を高めて一球で仕留める練習をしてきました」と復調のきっかけをつかんだ。

 すると、第4週の筑波大戦では2戦連発。特に2回戦の初回に放った2ランは「上からかぶせるイメージで、打った瞬間に行くかなと思いました」という手応え十分な一打。第2打席では「詰まっても内野の頭を越して、外野の前に落とせるパワーが自分の持ち味」とタイムリーを放ってみせた。

 打撃フォームについては「左足を少しだけ前に出して、それからタメを作り、ほぼノーステップで打っています」とのことだが、この打ち方でもロングヒットを量産するのは本人も長所と認めるパワーの賜物だ。

 高校通算3本塁打。パワーを付けるために「白ご飯を茶碗に大盛りで3杯。夏は体重を測りながら4〜5杯を食べてきました」と食トレに励んで185センチ95キロの立派な体格を作り上げた。村上文敏監督も「当たれば飛びます。主将としてもしゃべるタイプではないのですが一生懸命に話をしていますし、プレーで引っ張っています」と評価している。

「プロへ行きたい気持ちが強い」


 この日の日体大2回戦では、ドラフト候補に挙がる右腕・寺西成騎(4年・星稜高)から4回表に今季4号となる先制2ラン。「1打席目にスライダーで三振を取られたので、同じ球を一球で仕留めるつもりで打ちました」。この一発は逆方向の右翼スタンドへ打ち込んだものだったが「体が開くクセがあり、右方向へ強い打球を打つ練習してきているので、その成果が出ました」と振り返った。しかし、試合は9回の土壇場に追いつかれ、延長10回タイブレークの末に6対7でサヨナラ負け。勝ち点は1のままとなり「優勝を目指してきましたが、今季は厳しくなってきました。ただ、残りの試合では勝ち点を取って秋へつなげていきたいです」と話している。

 坂口自身は「プロへ行きたい気持ちが強いです」と進路の第一志望にNPB入りを掲げているが、リーグトップを快走する4本塁打に、今春は8試合中7試合で打点を挙げ、早くも11打点。頼れる主砲のバットはチームのため、そして、自分のために打ち続ける。

文&写真=大平明
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