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【大学野球】東大戦で今季2号の満塁弾 なぜ早大四番・印出太一は最終学年で結果を残せているのか

 

「きれいな回転で打つようにしている」


四番・印出は2回裏二死満塁からグランドスラム。連勝で勝ち点3とした[写真=菅原淳]


【5月5日】東京六大学リーグ戦(神宮)
早大9-0東大(早大2勝)

 早大四番のバットが止まらない。

 主将・印出太一(4年・中京大中京高)は東大との2試合で9打数6安打10打点と大暴れ。2回戦では今季2号となる満塁弾を放った。打率.419、2本塁打、14打点。二塁打3本、三塁打1本と持ち前の長打力を見せつけている。立大、明大に続いて、東大には連勝して勝ち点3。2020年秋以来のリーグ制覇へ、残るは法大と慶大との2カードである。

「一、二番が率を残していて、出塁率が良いので、自分がかえすことが仕事。打点がチームの勝利に直結する。打つべきところで打つ」

 一番の尾瀬雄大(3年・帝京高)が打率.419、二番の山縣秀(4年・早大学院)は打率.448でリーグ1位(5月5日現在)に立っている。

 印出は3年春から不動の四番。西武蛭間拓哉の後継者として期待されたが、昨年は春は打率.255、秋は打率.214と苦しんだ。なぜ、最終学年になり、結果を残せているのか。

「ランナーがいるほうが、バッティングがしやすいんです。バッテリーの配球を考えて打つので、絞りやすい。ランナーなしのほうが難しい(苦笑)」。捕手ならではの視点である。

 技術的にも、一つのきっかけがあった。印出は開幕から8試合中7試合で安打を記録している。唯一、ノーヒットだったのは開幕カードの立大1回戦だった。

「4タコ。力んで引っ掛け、体が開いた打撃でした。センター方向に意識した中で、バットを巻き込む打撃をしないように心がけました。きれいな回転で打つようにしています」

 ポイントをチェックし、立大2回戦以降、7試合連続安打を放っている。好きな選手は「理想の右打者です」とメッツ・鈴木誠也にあこがれる。司令塔であり、まずは守りが基本だが、打撃好調が相乗効果となっている。

 この日の神宮は、プロ併用日。高校でバッテリーを組んだ中日高橋宏斗ヤクルト戦で9回途中まで投げ、今季初勝利を挙げた。印出は大学卒業後の「プロ志望」を明かしており、同級生の活躍が刺激になっている。

文=岡本朋祐
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