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【大学野球】立大が対慶大の連敗を20でストップ 雌雄を決する4回戦は勝ち点をかけた大一番

 

3年生エースが7回1失点


立大は対慶大の連敗を20[5引き分けを挟む]で止めた。左から2安打を放った1年生・小林、木村監督、勝利投手の小畠[写真=矢野寿明]


【5月6日】東京六大学リーグ戦(神宮)
立大7-5慶大(1勝1敗1分)

 立大2点リードで迎えた9回表の守り。慶大の攻撃を前にして、一塁ベンチの立大・木村泰雄監督は大きく深呼吸した。

 7回を終えて7対1と優勢だったが、セーフティーリードはない。エース右腕・小畠一心(3年・智弁学園高)が7回1失点で降板すると、8回表に救援陣が4失点を喫した。前日の2回戦、立大は9回表に2点を勝ち越しながら、その裏に追いつかれ、引き分け(プロ併用日のため9回打ち切り)一つ勝つのは大変である。

中1日で先発した3年生エース・小畠が7回1失点で2勝目を挙げた[写真=矢野寿明]


 8回表途中から四番手で救援した吉野(3年・仙台育英高)は、1回戦から3連投だった。1回戦は0対0の9回表からリリーフも2失点で、敗戦投手。対慶大戦の連敗が20(4引き分けを挟む)となった。2回戦は9回裏、同点とされた二死二塁から救援し、空振り三振に斬り、サヨナラの危機を脱した。3回戦も追い上げられた8回表二死一塁から救援して、三ゴロに抑え、慶大の勢いを止めた。9回も無失点に抑え、試合を締めた。

「1回戦はもう一つ、本来の力が出し切れなかったが、昨日、今日と良い仕事をしてくれている。信頼して、最後を任せられる投手。これからも頼っていきたい」(木村監督)

【立大▼対慶大の2016年春以降の戦績】
2016春 ○○
  秋 ●●
2017春 △○●●
  秋 ●●
2018春 ○●●
秋   ●○●
2019春 ●●
  秋 ●●
2020春 ●
  秋 ●●
2021春 ●●
  秋 ●△
2022春 ●△●
  秋 △●●
2023春 △●●
  秋 ●●
2024春 ●△○
※2019年秋までは2勝先勝の勝ち点制。2020年春は1試合総当たり、20年秋から21年秋までは各校10試合のポイント制(1カード2試合)。22年春から勝ち点制

心身ともにタフな戦い


1対0の4回裏二死から菅谷が右越えソロ。貴重な追加点となった[写真=矢野寿明]


 立大は18年秋の2回戦以来の勝利。対慶大戦の連敗を20で止めた(5引き分けを挟む)。木村監督は「やっと一つ勝てて、ホッとしている。連敗も止めたので」と安堵の表情を見せたのも束の間、すぐに鋭い目で語った。

「勝っても、勝ち点を取れていないので、何とか勝ち点を取りたい」

 1勝1敗1分。雌雄を決する4回戦は、勝ち点(2勝先勝)をかけた大一番である。6校による「対抗戦」である以上、勝ち点を奪取することが、1カードにおける最終ゴール。エース・小畠は言った。1回戦も8回無失点で、慶大打線をほぼ完ぺきに封じている。

「勝ち点を取れるように準備したい」(小畠)

 連敗は止めたが、立大にはもう一つ、乗り越えなければならない壁がある。2016年春を最後に、慶大から勝ち点を奪えていない現状だ。小畠の3回戦の球数は80だった。総力戦となる4回戦もブルペンでスタンバイし、良い形でエースにつないでいきたいところである。打線は開幕から慶大1回戦まで7試合で8得点と低調も、2回戦は10安打4得点、3回戦は12安打7得点と上昇傾向にある。

 今春の立大は早大、法大の2カードとも1勝2敗で勝ち点を落としており、慶大戦は「3度目の正直」となるか。土曜日から4連戦。心身ともタフな戦いになることは必至だ。対戦校に勝ちたいという思いに加えて、いかに体力勝負を制するかにもかかっている。

文=岡本朋祐
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