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西武ルーキー成長記

西武・村田怜音 目標と現実のギャップを認識 コツコツ努力して5年後「本塁打王」に【西武ルーキー成長記】

 

現在、埼玉西武ライオンズではコーチを含めた日本一の育成環境を整え、そこで成長した選手が活躍し、優勝していく伝統を継承しつつ、科学的で多面的な要素も加えながら、より良いライオンズとしての新たな育成環境に取り組んでいる。その試みの中の一つに「人財開発」がある。週刊ベースボールONLINEで今季の新人の姿を追っていく連載「西武ルーキー成長記」。獅考トレーニングを受けてどのような感想を抱いたのか。皇學館大からドラフト6位で入団した村田怜音内野手に聞く。

目標設定して取り組むことは得意


身長196センチ、体重110キロを誇る巨体から遠くへ打球を飛ばす打撃が魅力の村田


 思考(獅考)トレーニングを受けた経験がアマチュア時代になかったのですが、目標設定して取り組むことが昔から得意だったので、自分のやってきたことが間違いではなかったと再認識しています。

 自分を客観視して、何をするべきか考えるようになったのは高1のときですね。打撃練習中に右肩の第1肋骨を疲労骨折して野球が9カ月間できなくなって、その間にいろいろ考えるようになりました。下半身のトレーニングをその期間にしっかりやったのでその後の野球人生に生きていると思います。学生のときはプロ野球選手になりたいという大きな目標があって、大学ではリーグ戦でどういう結果を出さなければいけないのか、そのためには今日何をするべきかと細かくスケジュールを組んでいました。自分は皇學館大なのですが、三重県のリーグは全国的にレベルが高いリーグと言えないので、プロのスカウトに注目されるためには圧倒的な成績を残さなければいけない。リーグ戦は1試合1本塁打、打率5割を目標にしていました。達成はできなかったですが、目標をきっちり立てたほうが自分には向いていますし、結果が出ると信じている部分があります。

 目標と現実のギャップを認識するアクションプランでは、打球速度、スイング速度で目指す数値、理想のスイング軌道など現状に照らし合わせながら思い描く目標を書きましたが、5、6個スラスラ書いたあとになかなか出てこなかったので、日にちを改めて体重、筋肉量、体脂肪などについて書きました。自分の中だけで考えていたプランを書き起こしていろいろな人に見ていただくことは初めてですが、書くからには責任が伴うので達成して、結果を残せるように頑張ります。

大学時代とは違うスポーツをやっている感覚


 三重県のリーグとプロ野球は違うスポーツをやっている感覚です。言葉で表現するのが難しいですが、大学生のときは目で判断してバットを出して打てましたが、プロは目で判断したらキャッチャーミットに球が入っている。バットを振る途中に直球か変化球か分かるイメージです。一番衝撃を受けた投手はチームメートの羽田(羽田慎之介)ですね。キャンプ中のシート打撃で対戦しましたが、今までの野球人生で一番速い直球と感じましたし、スライダーも視界から消えるぐらいキュッと曲がる。びっくりしました。

 春季キャンプはB班でしたが、自分より打球を遠くに飛ばす選手がたくさんいました。マン振りしていないのに打球が飛んでいくので、どうしたらそう打てるんだろうと。最初はプロで本当にやっていけるのかなと思いましたが、ファームで映像を見ながら打撃コーチのアドバイスをもとに修正したら、春季キャンプのときと違って打球速度が上がり、飛ぶようになりました。

 同学年の武内夏暉が一軍でプレーしているのでうらやましくないと言ったら嘘になりますが、周りを気にするタイプではないので焦りはないですね。ドラフト当時、即戦力のレベルでないことは分かっていました。今年はファームでいろいろ経験を積んで、3年後に一軍で常時プレーして、5年後にレギュラー、本塁打王を取れればベストだと思っています。結果はもちろん大事ですが、今は打撃の土台を築き、自分のスイングを実戦でできるかを意識しています。場数を踏めば投手のレベルに慣れると思うし、その中で手応えや新たな課題が出てくると思います。ファームで結果を出して、一軍へとつながっていくので自分のやるべきことをコツコツやっていきたいです。

※『獅考(思考)トレーニングとは?』
 若手選手に対して年に数回行うトレーニング。自己理解から始まり、思考の癖であるバイアスを解きほぐし、自身の成功パターンと失敗パターンを見つめ直す。トレーニングを重ねていくなかで、自分が成功するための戦略が練習と一致しているのかをブラッシュアップ。最終回には自己成長分析をスピーチする場を設ける。

写真=BBM
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