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西武ルーキー成長記

西武・糸川亮太 専用アプリを使って頭の整理 細かく紙に書き目標がより明確に【西武ルーキー成長記】

 

 現在、埼玉西武ライオンズではコーチを含めた日本一の育成環境を整え、そこで成長した選手が活躍し、優勝していく伝統を継承しつつ、科学的で多面的な要素も加えながら、より良いライオンズとしての新たな育成環境に取り組んでいる。その試みの中の一つに「人財開発」がある。週刊ベースボールONLINEで今季の新人の姿を追っていく連載「西武ルーキー成長記」。獅考トレーニングを受けてどのような感想を抱いたのか。ENEOSからドラフト7位で入団した糸川亮太投手に聞く。

1日の終わりに野球ノート


常に客観的に自分を見つめ、成長につなげてきたという糸川


 獅考トレーニングを受けることで、現状の自分の状況を確認して何をすべきか明確になりました。今までも大まかな目標をノートに書いたことはありましたが、目標に対してできている部分とできていない部分を細かく書くのは初めてです。野球のことに関してはスラスラ書けるのですが、性格や行動パターンはあまり意識したことがなかったので、見つめ直すことで頭の整理ができたかなと思います。アクションプランを書いていて気付いたことしては、課題を見つけることが人よりできているかなと感じました。僕は大学(立正大)から関東に出てきて、レベルの高い環境に飛び込んだので、自分に足りない部分は何か、どうしたらうまくなるかを常に考えてきて、自分を客観的に見つめていた部分がありました。その点は野球人生で生きているのかなと思います。

 今も1日の終わりに野球ノートをつけています。高校時代からの習慣で、大学で一度やめたのですが、社会人のときに再開しました。自分の投球を振り返って気持ちの部分で振り返るときがありますし、それだけでなく球速などの数値がどうだったかなども書いています。また獅考トレーニングの一環で専用アプリに今日のGOOD(良かった点)とBAD(課題)、そしてNEXT(次のアクション)を入力しています。頭の整理はできているのでやるべきことはまとまっています。ただ、獅考トレーニングで紙にここまで細かく書いたのは初めてだったので、目標がより明確になりました。書き込んだ紙は寮の机の上に置いて現状と目指す目標のギャップを確認しながら取り組んでいきたいです。

準備やトレーニングの重要性を再確認


 プロ1年目の今年はここまで一軍で3試合登板しました(5月8日現在)。3月31日の楽天戦(楽天モバイル)で延長11回にプロ初登板しましたがサヨナラ負けを喫したときは悔しかったです。ただ、甲斐野(甲斐野央)さん、アルバート・アブレイユやいろいろな選手にロッカーで励ましの声をかけていただき、今井(今井達也)もすぐに連絡をくれました。ありがたかったし救われましたね。いいチームに入団できたとすごく感じました。甲斐野さんにはいじっていただきましたが、気持ちが楽になりましたし、ありがたかったです。2試合目の登板となった4月9日のロッテ戦(県営大宮)は無失点に抑え、豊田(豊田清投手)コーチには「一歩前進したな」と声をかけていただき、少しホッとしましたが、まだまだこれからです。

 試合だけでなく、一軍に帯同することで練習中にも勉強になることがたくさんありました。特に印象に残っているのが、増田(増田達至)さんです。試合前、全体練習前にしっかり準備されていて、年間を通してトレーニングをされていると聞きました。リリーフで長年活躍して西武の顔となっている方がこれだけ練習しているんだと。間近で一緒にプレーさせていただくことで、準備やトレーニングの重要性を再確認しました。

 入団したときに「どこでも投げられる便利屋になりたい」と話しましたが、その気持ちは今も変わりません。野球をやっている以上はチームが勝つことが一番大事です。そこに大きく貢献したいですし、どんな場面でも投げられるピースになりチームに欠かせない存在になりたいです。

※『獅考(思考)トレーニングとは?』
 若手選手に対して年に数回行うトレーニング。自己理解から始まり、思考の癖であるバイアスを解きほぐし、自身の成功パターンと失敗パターンを見つめ直す。トレーニングを重ねていくなかで、自分が成功するための戦略が練習と一致しているのかをブラッシュアップ。最終回には自己成長分析をスピーチする場を設ける。

写真=BBM
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