週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

石川柊太、坂本誠志郎、酒居知史…FA市場で「Cランクの人気選手」たち

 

9月に4勝、防御率1.80


今季はソフトバンクの優勝に貢献した石川


 ソフトバンクの石川柊太が国内FA権を行使することが報じられた。今後は他球団と交渉し、ソフトバンク残留を含めて野球人生の決断を下す。

 2020年に最多勝、勝率第一位のタイトルを獲得するなど、先発として稼働してきた石川は今季開幕を二軍で迎えた。一軍昇格した4月5日の楽天戦(楽天モバイル)で5回2安打1失点に抑えて白星スタートを切ったが、その後はチーム事情で救援に。6月からファームで約2カ月間の調整期間を経て8月に先発ローテーションに組み込まれると、抜群の安定感を発揮する。9月は4試合登板で4勝0敗、防御率1.80をマークした。

 直球は145キロ前後だが、球速以上のキレがあり打者は差し込まれる。パワーカーブ、カットボール、フォークの精度も高い。21年以降は6勝、7勝、4勝で3年連続負け越していたが、完全復活を予感させるパフォーマンスだった。先発陣の層が薄い球団はノドから手が出るほど欲しい投手だろう。石川の今季推定年俸は1億2000万円。人的、金銭ともに補償不要のCランクとされており、複数球団の争奪戦に発展する可能性が高い。

現場からの評価が高い捕手


投手の長所を引き出すリードに定評がある坂本[右]


 今季国内FA権を取得した阪神の司令塔・坂本誠志郎も推定年俸7000万円でCランクだ。プロ9年間で100試合以上出場したシーズンは一度もないが、現場の評価は高い。投手の長所を引き出す配球に定評があり、昨季は大ブレークした村上頌樹大竹耕太郎が登板したすべての試合で先発マスクをかぶった。梅野隆太郎が8月に左手首尺骨の骨折で戦線離脱すると、残りの全試合で先発出場。CS、日本シリーズもマスクをかぶり続け、38年ぶりの日本一に貢献した。職人肌気質の坂本は週刊ベースボールのインタビューで、配球について聞かれて以下のように答えている。

「僕は、試合に出場していなくても配球に関して、いろいろと自分の中で疑問を持ちながら相手、味方の打者を見ていますね。『なぜ、あのボールを見逃したんだろ?』と。そういうことに敏感ですし、自分なりの解釈ができるまでは非常に気になる性格なんです。実際にそのリードを試合でやってみよう、という気持ちは強くありますし、それがどっちの結果に行くのかな、とも思いながらサインは出しますね。自分なりの正解を見つけて答えを出し、成果に繋がったら自分の引き出しが増えますし、打たれたら違う引き出しが増える、という思いで配球を組み立てています。ベンチの中でここはこういうサインを出したいな、というような。予測を立ててやってみていますね」

 今季は8月にファーム降格を経験し、64試合出場で打率.223、0本塁打、12打点。チームもリーグ連覇を逃して悔しいシーズンとなったが、FA権を行使すれば獲得に動く球団は当然あるだろう。

安定感抜群のリリーバー


今季はリーグ3位の26ホールドを挙げた酒居


 楽天のセットアッパー・酒居知史も推定年俸5600万円でCランクのため、複数球団が獲得に興味を示す可能性が。今季は49試合登板で2勝2敗26ホールド、防御率2.33。抜群の安定感に加え、プロ8年間で318試合登板と肩や肘に大きな故障がなく投げ続けているのが大きな魅力だ。

 グラウンド外でもコンディションに気を配る。週刊ベースボールで移動の必需品を聞かれた際、「ネックピローですね。首は大事ですから、寝違えたり痛めたりしないようにするためです。移動で首を痛めてる人がいると『なんでつけへんの?』っていつも言うんですけど、見た目ですかね? つけない人が多いんですよ。僕は首が弱いこともあって筋がすぐに張ってしまうので、飛行機や新幹線に乗ったらすぐにつけるようにしています。本を読むときにもつけますよ。今使っているのは5代目かな。安いものを使ってみたり、大きいのは移動の荷物になって大変なので小さいものにしてみたり。試行錯誤の末に今はちょっとごつめのしっかりしたタイプに落ち着きました。もうずっとこれでいいかなと思えるものに出合えましたね」と語っている。

 救援陣の層が薄い球団が獲得できれば、頼りになる存在になるだろう。楽天もブルペンを支える右腕の慰留に全力を注ぐ。来年はどの球団のユニフォームを身にまとい、マウンドに立っているか注目される。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング