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【大学野球】立大との壮絶なシーソーゲームを制した明大 6勝1敗1分の単独首位に

 

意地と意地の激突


1回戦に続き、ヒーローとなった明大・内海は試合後、カメラマンのリクエストに応え、ガッツポーズを見せた[写真=田中慎一郎]


【5月12日】東京六大学リーグ戦
明大7-6立大(明大2勝1敗)

 東京六大学伝統の「対抗戦」の醍醐味を見た。

 試合時間3時間15分。まさしく死闘だった。

 1勝1敗。勝ち点をかけた3回戦である。

 明大と立大。意地と意地の激突は、壮絶なシーソーゲームとなった。

 3対4。1点を追う明大は6回表に代打・若狭遼之助(3年・星稜高)の2点適時三塁打で逆転すると、田上夏衣(2年・広陵高)の犠飛でリードを2点に広げた。しかし、その裏、立大は犠飛と、ゴロの間に2点を挙げ、6対6の振り出しに戻した。

 立大は7回表から、前日の2回戦で6回途中まで投げた左腕・田中優飛(2年・仙台育英高)が四番手で救援。一方、明大は7回裏から大川慈英(4年・常総学院高)がリリーフ。大川は1回戦で9回の1イニングを投げ、三者連続三振で締め、先勝に貢献していた。

9回表二死三塁。明大の四番・内海が勝ち越しタイムリーを放った[写真=田中慎一郎]


 9回表の明大の攻撃。二死三塁から四番・内海優太(3年・広陵高)が勝ち越し適時打を放った。1回戦の決勝本塁打に続き、主砲のバットが試合を決めた。明大の四番手・大川は3回無安打無失点。9回裏も3人で抑え、1点リードを守り切った。明大は先発の左腕・毛利海大(4年・福岡大大濠高)から菱川一輝(4年・花巻東高)、高須大雅(4年・静岡高)、大川と最上級生4人による、決死の継投リレーだった。明大はこれで開幕から3カード連続の勝ち点3で、6勝1敗1分の単独首位に立った。次週(5月17日から)はリーグ3連覇を狙う早大との直接対決が控える。

7回から救援した明大・大川は3回無安打。1点リードした9回裏も3人で抑え、勝利を決めると雄叫びを上げた[写真=田中慎一郎]


 2017年春以来の天皇杯奪還を目指す立大は、正念場の一戦を落とした。5投手をつぎ込む総力戦も、勝利にはつながらなかった。とはいえ、木村監督が就任した昨春から3シーズン目、立大のチーム力は明らかに上がっている。終盤の粘りは、日常生活から見直してきた地道な取り組みの賜物と言えるだろう。

立大は勝ち点を落とし、左端の主将・西川侑志[4年・神戸国際大付高]は悔しそうな表情を浮かべた[写真=田中慎一郎]


 なお、今季4号となる先頭打者本塁打を放った立大の一番・山形球道(4年・興南高)は2打席目以降、申告敬遠を含む4打席連続四球と勝負を回避された。山形は4カード11試合を終えて、46打数19安打、打率.413、4本塁打、13打点。本塁打、打点はリーグトップで打率は2位。東大との最終カードの結果次第では、三冠王を狙える位置にいる。
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