終盤から四番を任されて

城西大は1年生・西鍛治が一部残留に貢献し[写真=大平明]
【6月2日】首都大学一部二部入れ替え戦
城西大2-1桜美林大(城西大2勝)
首都大学リーグ入れ替え戦2日目。城西大の先勝で迎えた2回戦。1点を追う城西大は6回表。二死二塁から四番・西鍛治玄太(1年・日大三高)が三遊間を破るタイムリーを放って同点。さらに、7回表は二死一、三塁から二番・武井大智(4年・
西武台高)がライトへ勝ち越し打。
リードを奪った城西大は6回から登板していた多々野成龍(4年・倉敷工高)が8回途中まで無失点に抑えると、最後はエースの長琉之介(4年・下関国際高)が締めて、2対1で桜美林大に勝利。主将の
松川玲央(4年・関西高)を故障で欠きながらも、2連勝で一部残留を決めた。
殊勲の同点打を放った西鍛治はまだ1年生。昨夏は日大三高の捕手として西東京大会の決勝まで勝ち上がったが、早稲田実の前に敗れ、甲子園出場はならなかった。
「とても悔しくて、もう一度、神宮球場で戦うために一番、最初に声を掛けてくださった城西大に入りました」
城西大に合流した当初は「ピッチャーのレベルが高く、特に変化球の割合が増えて戸惑いました。高校時代はツーボールになると真っすぐを投げてくることがほとんどでしたが、大学では変化球でストライクを取られたんです」と苦戦。高校時代の捕手経験が生き「配球面も自分なりに対応することができました」と徐々に慣れていった。
「高校時代はそこまで打てる選手じゃなくてバッティングが小さくなっていたのですが、もっと思い切ってスイングするようにしました」。頭角を現していくと、第3週の東海大3回戦で先発に抜擢された。
七番・ライトで出場すると、いきなり1打席目にレフト前へヒット。「2球目のスライダーだったのですが『これで自分の大学野球がスタートしたんだな』と思いました」。その後も好調は続き、第5週の武蔵大1回戦では初の3安打で猛打賞を記録。第7週の帝京大1回戦からは四番を任された。
「荷が重いと感じましたが、先輩方が優しくて『3つ振ってこい』と言ってくださるので、気楽に打席に入れています。ミスをしてもカバーしてくれるので、とてもやりやすいです」
同帝京大戦では3本のタイムリーと活躍。
「大きいのを狙わずにバットを短く持って打つのが自分のスタイルなんですが、『後ろへつなごう』という気持ちが良い結果につながっているのだと思います」
規定打席にはわずかに届かなかったが、打率.400(35打数14安打)と素晴らしい成績を残している。
この日の桜美林大2回戦を四番・ライトで先発出場。6回の同点打については「打った球種はチェンジアップ。来た球を思い切り振っていきました。歓声が聞こえて得点が入ったことが分かったのでうれしかったです」と振り返っている。
秋季リーグも一部でプレーすることとなり「この経験を生かし、首位打者が獲れるようにもっと努力していきたい」と抱負を語った。目標の神宮球場へ戻るためにも、秋こそは全国大会出場を狙う。
文=大平明