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筒香嘉智に復調の予感 他球団から「打撃の状態が格段に良くなっている」警戒が

 

ファームでの調整を経て


DeNA復帰2年目を迎えた筒香。これからさらに本領を発揮したい


 交流戦に入り、楽天日本ハムに2カード連続で勝ち越したDeNA。オリックスとの対戦では6月10日の初戦で0対2と零封負けを喫したが、翌11日は4対0で快勝して貯金を今季最多タイの7に増やした。

 昨年の首位打者、タイラー・オースティンが打撃不振で6日にファームに降格したが、精神的支柱の筒香嘉智の復帰が心強い。約1カ月の調整期間を経て交流戦から合流すると、5日の楽天戦(郡山)で2回に左中間を割る先制の適時二塁打。7回にも右越え二塁打を放った。2023年から続いていた地方球場での連敗を8で止め、三浦監督の通算300勝に大きく貢献。7日の日本ハム戦(横浜)では4回に山崎福也のカットボールを右翼席に運んだ。4月17日の巨人戦(東京ドーム)以来のアーチにスタンドは大盛り上がり。チームは敗れたが猛打賞をマークした。

 翌8日の日本ハム戦(横浜)でも、2回に金村尚真の146キロ直球をバックスクリーンに叩き込む2試合連続アーチ。今年は春先から試行錯誤を繰り返して打率.115、1本塁打、2打点と精彩を欠いていたが、他球団のスコアラーは「4月より格段に良くなりましたよね。下半身の粘りを取り戻し、強い打球を広角に打てている。実績十分の選手なので、試合に出続ければ状態はさらに上がっていくでしょう」と警戒を口にする。

日本シリーズで優秀選手


 日本球界を代表する強打者として活躍し、19年オフにメジャー挑戦。昨年のシーズン途中に5年ぶりに復帰した。アメリカと日本の投手ではタイミングの取り方が変わるため、対応するまでに時間がかかるケースが多い。筒香も例外ではなかった。57試合出場で打率.188、7本塁打、23打点と納得できる数字を残せなかったが、ソフトバンクと対戦した日本シリーズで輝きを放つ。第6戦で2回に有原航平のチェンジアップを完ぺきにとらえて先制のソロを放つと、5回二死満塁で左中間に走者一掃の適時二塁打を打ち、4打点の活躍。26年ぶりの日本一に貢献し、優秀選手に選ばれた。背負っていた責任は大きい。試合後にホッとした表情を浮かべた姿が印象的だった。筒香は週刊ベースボールのインタビューで以下のように振り返っている。

「もちろん、アメリカと日本のピッチャーでは、タイミングや傾向などいろいろなことが違っていたので、なかなかそこにアジャストできなかった。それは僕の技術不足なんですけど、昨年はキャンプも日本でスタートしていないので、ある程度は時間がかかるかなというのはありました。さらに夏場にはケガも重なり(左肋骨の疲労骨折)、それで試合にも出場できず、自分のイメージしていた時期よりも、いい感覚が出てくるのがかなり遅れた印象です。だけど、日本シリーズが始まる2日前ぐらいの練習から、急にずっと探してた感覚が、ちょっとずつ戻ってきたかなというような感じがありました」

静かに燃やしていた闘志


 リーグ優勝、2年連続日本一を目指す今年のチームスローガンは「横浜奪首」。筒香は出場機会が保証されているわけではない。定位置を奪い取らなければいけない立場で、静かに闘志を燃やしていた。

「もちろんバッティングの感覚は昨年に比べたらかなり良くなってます。ただ、まだ本当にいいときの感覚がピタッと来てるわけではありません。それが今、この時期につかめるのかと言うと、実戦が始まって、重ねていかないと問題点もなかなか出てこない部分が、特にバッターにはある。実戦を重ねていったときに、また何か見えてきたらいいかなと思っています。ただ、昨年の日本シリーズ前につかんだ感覚は、まだしっかりと残っています。ここにしっかりと上積みしていきたいと思っています」

 筒香の打棒が爆発すれば、打線の破壊力が一気に増す。首位・阪神とは2.5ゲーム差。交流戦で白星を重ねて一気に差を縮めたい。

写真=BBM
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