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好不調の波が激しいが他球団は高評価 契約延長か注目される「巨人の助っ人」は

 

高い身体能力


来日1年目のキャベッジ。今後、成績を伸ばすことができるか


 フラストレーションがたまっていたのだろう。巨人のトレイ・キャベッジの怒りが爆発したのが、「二番・左翼」で先発出場した8月20日のヤクルト戦(神宮)だった。初回に見逃し三振、3回に遊飛に倒れると、5回一死一塁でもチェンジアップを空振り三振。すると、険しい表情で自らの太ももにバットを叩きつけてへし折り、雄叫びを上げてベンチ裏へ引き揚げた。

 身体能力の高さには目を見張るものがある。エンゼルス時代の2023年に3Aでトリプルスリー(打率.306、30本塁打、32盗塁)を達成。同年は約148.4メートルの特大本塁打を放っている。過去2年間にメジャーでこの数値を上回ったのは、23年6月30日に大谷翔平(当時エンゼルス、現ドジャース)がダイヤモンドバックス戦で放った約150.3メートル弾のみ。米国でもトップクラスの飛距離を誇り、「強い打球を飛ばすことができるのは自分が恵まれた能力のひとつ」と語っていた。

滑り出しは最高だったが……


 滑り出しは最高だった。開幕のヤクルト戦(東京ドーム)で5点差を追いかける8回に、来日初アーチの右越え2ランを放つなど猛打賞の活躍で逆転サヨナラ勝ちの立役者に。翌日の2戦目も2号3ランなど4打点の大暴れ。新外国人選手の開幕2戦連発は球団史上初の快挙だった。だが、その後は好調を維持できない。キャベッジの課題は低めのボール球になる変化球に手を出してしまうことだ。我慢して見極めていた時期があったが、初球からどんどん振っていく選手なので結果を出したいという焦りがあるのだろう。93試合出場で打率.242、13本塁打、43打点。109三振はリーグで2番目に多い。岡本和真が故障で長期離脱した際は四番に入って活躍した時期があったが、最近7試合で22打数無安打と当たりが完全に止まっている。

 ただ、他球団から見れば怖い打者であることは間違いない。スコアラーは「あれだけ振れる打者ですからね。変化球が少しでも甘く入るとスタンドに運ばれる怖さがある」と警戒を口にしていた。

 異国で成功したいという思いは誰よりも強い。開幕前から阿部慎之助監督に助言を受け、打撃練習に取り組んでいた。「阿部監督からアドバイスをいただくことは、第三者の視点からの気づきをいただけるので助かる。阿部監督は現役時代、偉大なバッターだったということは知っているので、本当にありがたかった」と感謝の思いを口にしている。指揮官も「(アドバイスを)聞く耳を持っているし、最初は結果が出なくてもしばらくは起用する」と野球に向き合う姿勢を高く評価していた。

日本で成長した助っ人長距離砲


広島で7年間、長距離砲として活躍したエルドレッド


 日本の野球に適応するためには時間を必要とする。かつて広島で本塁打王を獲得したブラッド・エルドレッドもそうだった。12年のシーズン途中に加入し、13年は右手首骨折や打撃不振などで66試合出場にとどまり、打率.247、13本塁打と不本意な結果に。だが、当時の野村謙二郎監督が評価していたこともあり、球団は契約延長を決断。翌14年は118試合出場で打率.260、37本塁打、104打点で本塁打王を獲得した。16年は95試合出場で打率.294、21本塁打、53打点で25年ぶりのリーグ制覇に貢献。日本シリーズで日本ハムに敗れたが、3試合連続アーチで敢闘賞を受賞した。

 18年までプレーし、来日通算133本塁打をマーク。外国人選手で在籍7年間は球団最長記録だった。日本語が堪能で広島市内の移動にママチャリを愛用するなど日本の生活にもすっかり溶け込み、ファンに愛された。

 エルドレッドはNPBでプレーを重ねることで、考え方が変化したことを週刊ベースボールのインタビューで語っている。

「1年目は初めてのリーグに来て、いろいろなことを覚えないといけなかったし、そこで自分の力を見せなければいけないと力んでしまったところがあった。外部要因がパフォーマンスに影響していたところはあったね。でも、経験を積んでいくにつれて相手投手のことや攻め方も分かってきた。いろいろな情報を取り入れることができたんだ。今では心配しなきゃいけないことが減ったから、自分のやるべきことに集中できている。ラクな気持ちで、野球にフォーカスしていることが結果につながっているんじゃないかな」

 巨人はリーグ優勝への道が険しくなったが、CS進出から下克上に向けて、キャベッジの打棒爆発がポイントになる。来季以降の契約延長を勝ち取るためにも、好結果を残せるか。

写真=BBM
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