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CSで爆発の予感 他球団が「筒香に匹敵」警戒するDeNAの強打者は

 

9月は抜群のバッティング


シーズン最終盤でバッティングの状態を上げている


 DeNAが上昇気流に乗ってきた。9月14日の巨人戦(横浜)で9対7と乱打戦を制して勝率を5割に戻すと、翌15日の同カードでは3対0と快勝。巨人と1ゲーム差の2位に立った。

 14日の試合で打線の火をつけたのはタイラー・オースティンだった。3点差を追いかける4回一死でフルカウントから平内龍太の153キロ直球を捉えて左越え二塁打。続く佐野恵太の左前に落ちる一打に好判断で本塁生還した。オースティンから5連打でたたみかけると、さらに一死満塁で蝦名達夫の押し出し四球、筒香嘉智の2点右前適時打など打者12人の猛攻で一挙6得点と逆転した。

 昨年は4月に右太腿肉離れで離脱した期間があったが、5月以降はスタメンに名を連ね、106試合出場で打率.316、25本塁打、69打点をマーク。自身初の規定打席に到達し、首位打者を獲得した。今年も中軸として期待されたが、故障の多さがネックになる。開幕直後に下半身のコンディションでファームに降格。1カ月の調整を経て5月上旬に一軍昇格したが、6月に入って右膝の違和感を訴えて再び戦線離脱した。球宴に選出されたが出場辞退し、懸命にリハビリを続ける日々。一軍の舞台に戻ってきたのは2か月後の8月5日だった。コンディションを整えれば、実力は申し分ない。9月は9試合出場で打率.400、3本塁打、7打点と状態を上げている。

 10日の阪神戦(甲子園)で6回に伊藤将司のツーシームを左中間スタンドへ。13日のヤクルト戦(神宮)では、3回二死一、二塁の好機で左腕・山野の直球をバックスクリーンへ10号先制3ランを放ち、2年連続の2ケタ本塁打をクリアした。DeNAは牧秀悟が8月1日に登録抹消され、左手の「左MP関節尺側側副靱帯修復術」の手術を受けた。宮崎敏郎も「右膝後十字靭帯の部分損傷」で9月3日に戦列を離れた。戦力ダウンが懸念された中で、オースティンの復調は明るい材料だ。打撃の調子が上がらなかった筒香嘉智も8月以降に21試合出場で10本塁打と量産体制に入っている。他球団のスコアラーは「筒香の活躍がフォーカスされますが、打線の核はオースティンです。彼が打ち出すと、打線全体が一気に活気づく。穴のない打者なので抑えるのが非常に難しい」と警戒を口にする。

昨季は日本一の原動力


 昨年のCS、日本シリーズを勝ち上がり、26年ぶりの日本一の原動力となった活躍は記憶に新しい。ソフトバンクと対戦した日本シリーズでは5試合出場し、打率.375、1本塁打、3打点の大活躍。敵地・PayPayドームで迎えた第4戦で4回に石川柊太(現ロッテ)から逆方向の右翼ホームランテラスへ先制ソロを放った。この一打が決勝打となり、2勝2敗のタイに。第5戦、第6戦も勝利して日本一に駆け上がった。

 野球評論家の荒木大輔氏は、週刊ベースボールでオースティンの働きぶりを評価していた。

「(第4戦は)2回の第1打席は中前に安打を放ち、4回の第2打席は外角直球を右翼ホームランテラスに運ぶ一撃。7回の第4打席、ダメ押しの5点目となる適時打は左前に放っています。広角に打ち返すバッティングをされると、投手は攻めどころが難しくなってきます。安易に長打が怖いからと言って外を攻めてもスタンドインされる。かと言って内角を突こうと思っても少しでも甘くなったら長打の危険性があるので、投げ切るのは簡単なことではない。今季は首位打者を獲得していますが、あらためて素晴らしい打者だと感じます」

 今年はリーグ優勝を逃したが、まだ戦いは続く。2位でCSに進出し、本拠地・横浜スタジアムで戦うことができればファンの熱い声援を背に受け、大きなアドバンテージになる。CSファイナルステージで対戦する阪神は圧倒的な強さでリーグ優勝を飾った難敵だが、昨年のような下克上を起こせるか。オースティンがキーマンであることは間違いない。

写真=BBM
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