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仮説を立て「こうすれば夢が叶う」と思って行動 公立進学校から育成ドラフト指名を受けた濱岡蒼太の本質

 

西武の入団テストを受けて


10月30日、西武から指名あいさつを受けた。左から秋元球団本部副本部長、濱岡投手、平野監督[写真=にったあつし]


 10月30日、西武育成ドラフト4位の川和高・濱岡蒼太が同校で指名あいさつを受けた。濱岡は「球団の方と初めてお話しする機会をいただいて、改めて西武さんのために全力で腕を振って、早いうちに優勝に貢献できるように頑張りたいと思いました」と決意を新たにした。

「迷う前に行動すること」が好結果をもたらした。ドラフト候補として早くから名前が挙がっていたが、9月下旬に西武の入団テストを受験。「テストを受けずに指名漏れというのは後悔する。チャンスがあるのなら自分の投球を改めて見てもらえたらと思って」と、その意図を明かした。

 今夏の引退後さらにスピードが増した速球と多彩な変化球を投げ込み、「147キロを計測したストレートに加え、4種類の変化球の性質がプロの平均レベルを超えていた(秋元宏作球団本部副本部長)」と高い評価を得た。

『公立』、『進学校』といった部分が取り上げられがちだが、濱岡の歩んだ道にはまた違った側面もある。中学までは控え投手だったが、高卒でプロ入りするために最も適した環境として川和高に進学。

 毎日書き続けた野球ノートに自らが成長するための行動や目標を記し、小さな目標をクリアすることを繰り返してきた。「こんな自分でもしっかり計画を持ってやれば夢は叶う」を理念に掲げ、目標に向かってコツコツと続けてきた努力が報われた。

 同校の平野太一監督は「プロ野球選手というのは見ている人に何かを与える仕事。それが彼にとって何かというと、中学までは注目されるような選手ではなかったが『プロになりたい』という思いがあり、仮説を立てて『こうすれば夢が叶うのではないか』と思って行動し続けると、それが叶う可能性が人間にはあるということを身をもって証明をする、そんな存在であってほしい」と期待を込める。

 高卒でプロ入りという目標に向かって一途に進んできた濱岡。目指してきた「完成度の高い、スキのない投球」で、まずは支配下をつかみ取る。

取材・文=にったあつし
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