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失意のWBCも…最も抑えるのが難しい「NPB屈指の強打者」は

 

開幕から猛打爆発


開幕から自慢の強打を発揮して打線を牽引している近藤


 一流と呼ばれる選手は、悔しさを糧にはい上がる力がある。開幕からスタートダッシュに成功したソフトバンクを牽引するのが、近藤健介だ。

 開幕カードの古巣・日本ハム戦(みずほPayPay)から快音を響かせる。3月27日の開幕戦で、3回に伊藤大海のスプリットを右翼席に叩き込む同点1号ソロ。翌28日は2点差を追いかける5回裏二死満塁の好機で走者一掃の逆転適時二塁打を放ち、29日も3打数2安打2四球で同一カード3連勝に多く貢献した。4月1日の楽天戦(楽天モバイル)でも、6回に今年から新設された左中間のホームランゾーンに2号2ランを放つなどエンジン全開だ。

今年のWBCで無安打


 2023年のWBCでは全7試合出場で打率.346、1本塁打、5打点をマーク。リードオフマンのラーズ・ヌートバー(カージナルス)、三番の大谷翔平(当時エンゼルス、現ドジャース)の間を担う二番で出塁率.500と打線の潤滑油となり、大会制覇の原動力となった。今年3月のWBCでも主力として期待される中で、昨オフに週刊ベースボールの取材で胸中を口にしていた。

「今シーズンはケガが多く、あまり試合に出られていないのでどうなるか分かりませんが、来年3月のWBCを目指して準備したいですね。まずは出られる体にすることが一番。トレーナーと話しながら腰への負担を減らせるようにしています。いくら打ってもケガをして試合に出られなかったら意味がないので。WBCは前回大会に出させてもらってすごい景色を見ることができました。次回は他国もすごい選手が出てくるので、より盛り上がる大会になっていくと思います。そういうところでプレーしたいと思うのは野球選手として当然だと思います。前回王者ということでプレッシャーもかかってくると思いますが、そういう意味でも楽しみですね」

 だが、本大会で待ち受けていたのは大きな試練だった。1次ラウンドの台湾戦、韓国戦、豪州戦と3試合にスタメン出場で無安打。その後はスタメンを外れて準々決勝・ベネズエラ戦は代打で9回に出場して見逃し三振に倒れた。5対8で敗退すると、試合後のベンチでしばらく動けなかった。13打数無安打と悔しい結果に終わったが、短期決戦では起こりうる事態だ。精神的ショックが懸念されたが、日本に帰国すると気持ちを立て直して見事なパフォーマンスを見せている。

年々進化している打撃


 年を重ねるごとに進化している。日本ハムでは広角に安打を打ち分ける巧打者だったが、ソフトバンクに23年からFA移籍後は本塁打の数が急増。日本ハム時代の11年間で通算52本塁打だったのが、ソフトバンクに移籍後は3年間で55本塁打をマークしている。23年に自己最多の26本塁打、87打点で2冠王に輝くと、24年は首位打者を獲得と打撃タイトルを総ナメに。他球団のスコアラーは「今のNPBで最も打ち取るのが難しい打者です。弱点がなく同じ攻めが通用しない。ボール球に手を出さないし、外角の球も逆方向にアーチを打てるので神経を使いますね」と警戒を口にする。

 近藤は打撃スタイルの変化について、以下のように語っている。

「当てにいかないことを意識しています。しっかりと打球のクオリティーを保ちながらコンタクトしていくことが、一番大事なことです。前に飛ばすという考えではなく、その中でしっかりコンタクトしていく。その確率を上げながらも、質の高い打球を数多く打てるようにする感じです。長打率に関しては5割を目指しています。(OPSは)だいたい毎年9割ぐらいを目標にしています。OPS10割はすごい数字なのですが、ゆくゆくは目指していきたい数字でもあります。そのためには長打率を残さないといけないなと思っています」

 OPSは23年に.959、24年に.960とリーグトップの数字を叩き出している。今年は規定打席に到達して自身初の10割をクリアできるか。天才打者の挑戦が続く。

写真=BBM
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