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佐藤輝明だけではない メジャーが熱視線送る「阪神の強打者」は

 

加速度的に進化する打撃


4年目を迎えた今季、開幕から鋭い打球を飛ばしている森下


 阪神の強打者から、球界を代表する強打者へ。加速度的に進化している和製大砲が森下翔太だ。

 世界を震撼させた一撃は記憶に新しい。今年3月に開催されたWBC。侍ジャパンに選出されると、準々決勝のベネズエラ戦で鈴木誠也が二盗を試みた際に右膝を負傷するアクシデントに見舞われ、2回の守備から緊急で出番が巡ってきた。浮足立っても不思議ではないが、「誠也さんも出たい、結果を残したいという思いが絶対あったと思う。そこを自分が代われるように、自分の中でも心の準備をしながらやりました」と冷静に燃えていた。

 3回に佐藤輝明の適時二塁打で同点に追いつき、さらに一死二、三塁の好機でメジャーを代表する左腕のレンジャー・スアレス(レッドソックス)のチェンジアップをすくい上げると、打球は左翼席へ。「本当に自分の打撃ができたかなと思います」と勝ち越し3ランに雄叫びを上げた。試合はその後に再び逆転されて敗れたが、井端弘和監督が「彼の持っている一番の能力というのは、一振りでチームの雰囲気を変えられることなんです」と信頼を口にする打撃で強烈な光を放った。

 メジャー・リーガーたちが集う環境でプレーしたことが、大きな刺激になったことは間違いない。決勝ラウンドで渡米した際、現地時間3月12日の公式練習で大谷翔平(ドジャース)がライブBPに登板した際、志願して打席に立った。5打席の対決で1本の安打性の打球はあったが3三振を喫した。最後はスイーパーにタイミングを合わせられず、腰を砕かれての空振り三振。「すごかったです。対戦する前からすごいのは分かっていましたけど体験できて良かった。あそこまでのボールを投げる人は日本にはいないです」。将来のメジャー挑戦を目指す上で、侍ジャパンで過ごした日々が宝物になる。「この経験が自分の中でも自信となって生きていると、まだ日本に帰ってきて数日ですけど思っています」と振り返っていた。

順調なスタートを切った2026シーズン


 侍ジャパンでの激闘を終え、球団史上初のリーグ連覇に向けて気持ちは切り替わっている。昨季は全143試合に出場し、打率.275、23本塁打、89打点。本塁打と打点はともにリーグ2位の好成績だった。メジャー球団のスカウトが「佐藤だけでなく森下も注目している」と熱視線を送る中、今年も順調なスタートを切っている。

 3月27日の開幕・巨人戦(東京ドーム)で猛打賞をマークすると、29日の同戦では9回に左腕・石川達也のチェンジアップを左翼スタンド中段に叩き込む今季初アーチ。4月1日のDeNA戦(京セラドーム)では、6回に新外国人右腕のオースティン・コックスの直球を左翼席にライナーで突き刺す2号ソロを放つなど2度目の猛打賞を記録した。3日の広島戦(マツダ広島)でも、初回一死二塁で中前にはじき返す先制適時打、7回に無死満塁の好機で2点中前適時打を放つなど4安打3打点の活躍で、打率.444に上昇。右翼の守備でも初回一死から中村奨成の右前打を処理すると、一塁に矢のような送球でオーバーランを狙った中村をタッチアウトに。攻守にわたる活躍でチームの勝利に貢献した。

四、五番の先輩打者に感謝


 三番に定着しているが、後ろを打つ四番・佐藤、五番・大山悠輔に対する感謝の念を忘れない。昨年8月に週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っていた。

「お二人が後ろで控えていることで、僕は自分のことだけに集中できています。僕が打てなくても、カバーしてくれるから、多少打席で気分が楽になったりもします。自分が打つことで、後ろのお二人が楽に打席に入れることに、少しは貢献できるとは思っています。でも僕自身まだまだお二人に負担をかけてしまっているかな、と思っています」

「でも得点圏に走者がいて、僕が打てずに、二死となって大山さんに打席が回ってくるという状況をつくるのは、大きな負担になっているはずです。もし大山さんが凡退してしまうとファンの皆さんが『あ〜あ』となりますよね。もし僕が先に打っていれば、大山さんに一死で場面を回せたりして、そこで外野フライで1点取れたかもしれない。打てなかったときは、そう考えています。その意味では、三番より五番のほうがきついです。三番はアウトカウントが若い状態で打席に立つ場面が多いので、気持ちとしては楽なんです。自分が三番打者としてチャンスで打つか打たないかで、その試合、大量得点になるかどうかのカギも握っている。三番打者は、試合の流れを左右する打順なのかな、と思います」

 飽くなき向上心で、極みを目指す。

写真=BBM
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