開幕から好調をキープ

昨季、打率3割をマークした泉口。今季もシャープな打撃を見せている
若手の成長株からチームに不可欠な存在に。
巨人の
泉口友汰が開幕から好調をキープしている。
3月29日の開幕3戦目・
阪神戦(東京ドーム)では、同点で迎えた7回二死から左腕・
及川雅貴の内角に食い込んでくるツーシームを振り抜き、右翼席上段へ。難しい球に見えたが技術とパワーが凝縮された特大の1号ソロだった。試合に敗れて笑顔はなかったが、猛打賞の大暴れで阪神バッテリーは警戒を強めただろう。4月4日の
DeNA戦(東京ドーム)では3点差を追いかける3回一死二塁で
入江大生の150キロ直球を右翼中段に運ぶ2号2ラン。この一打が試合の流れを変え、逆転勝利の立役者となった。
ベストナイン、GG賞を受賞
リーグ連覇を逃した昨年の巨人で大きな収穫が、泉口のブレークだった。開幕は二軍スタートだったが、4月上旬に一軍昇格すると広角に安打を積み重ねて遊撃の定位置を奪取。シーズン終盤まで熾烈な首位打者争いを繰り広げ、133試合出場で打率.301、6本塁打、39打点をマークした。154安打、出塁率.362とチャンスメークで高い水準の成績を残し、得点圏打率.304と勝負強さも光った。遊撃の手堅い守備も評価され、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を受賞した。
大きく飛躍した要因が、肉体強化だった。プロ1年目の2024年は66試合出場で打率.201、1本塁打、9打点。守備能力の高さはアピールできたが、打撃で150キロを超える直球に差し込まれる場面が目立ち、変化球の対応力にも課題を露呈した。オフのトレーニングで体を鍛えたことで、昨年2月の春季キャンプでは打球が鋭くなり飛距離も伸びていた。泉口には背中を追いかける選手がいる。昨年までチームメートだった
岡本和真(現ブルージェイズ)だ。25年の自主トレに参加を志願してトレーニングや野球に向き合う姿勢を学び、成長の糧にした。
週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っている。
「バッティングのためだけではないんですけど、オフからキャンプにかけては体幹も含めてすべての面で、トレーニングで体を強くするということを重点的にやってきました。その成果が出てきてくれているのかなと思いますね。昨年までだったら全力で振らないとはじき返せなかったボールを、体が強くなったことで、ある程度コンタクトを重視しながらスイングしてとらえることができています。実際、キャンプのときにはスイングスピードの数値が昨年よりは上がっていましたから。コンタクトを重視する場面でも、見ている方に『しっかり振れているな』と思ってもらえるということは、体が強くなったというところがつながっているのだと思います」
「来た球をしっかり打つ」

変革期を迎えた巨人でチームリーダーとしても期待される
打球に力強さが増しただけではない。2ストライクに追い込まれても際どい球をファウルでカットし、ボール球をきっちり見極める。右投手に対して打率.307、左投手に.291と左右の投手によってパフォーマンスが変わらないことも首脳陣の信頼をつかんだ。
「2ストライクに追い込まれてからも、割と打てていると思うので、その部分はいい傾向かなと。追い込まれてからはより、少しでも粘っていくという形にアプローチは変えていきますし、その中で結果がついてきてくれています。特に左投手が嫌いだとか、右投手がイヤだとかはなくて、本当にシンプルに、相手投手が何を投げてくるかというところをしっかり考えながら、来た球をしっかり打とうと思ってやっている結果なのかなと思います」
巨人は変革期を迎えている。昨オフに両股関節手術を受けた
吉川尚輝がリハビリから実戦復帰して一軍復帰を目指す中、二塁はプロ2年目の
浦田俊輔が起用されている。三塁を守る
坂本勇人が絶対的なレギュラーと言えなくなっている中、泉口は攻守で引っ張るチームリーダーとしての働きが求められる。坂本、岡本のような球界を代表する内野手へ。首位打者の有力候補と目される中で、真価が問われる。
写真=BBM